カルト的人気を誇る!│ドリフトキング&クイーンに愛されるあの日産車

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ドリフト走行を抜きにして200SXの話はできない。ターボ搭載、後輪駆動の200SXがまだ安く、簡単にモディファイできた2000年代初頭に、日本生まれのドリフト選手権が国際的人気を得るに至った。日産200SXがイギリスでカルト的存在となったのも、ドリフト人気の高まりに負うところが大きく、モディファイされていない200SXがほとんど残っていないのも同じ理由だ。

横滑り以外にも200SXの魅力は多い。素晴らしいパフォーマンスと信頼性、スマートなルックスで、多くの日本車と共に1990年代初頭の外国市場を賑わした。抜群のバランスを誇るマシンと後輪駆動を組み合わせたこの日産の名車は、日本では180SXの名で発売された。

ハッチバックの3ドアクーペで、2ドアのシルビアの姉妹車にあたる。シャシーは同じS13型だが、シルビアはより伝統的なクーペらしいスタイルで、180SXではリトラクタブル・ヘッドライトが採用された。ややこしいことに、ハッチバックのS13型は、日本では180SX、アメリカでは240SX、ヨーロッパでは200SXと、市場によって名称が異なった。
 
200SXは、出力167bhpの1.8リッター CA18DET型エンジンにターボを搭載し、5段MTと4段ATがあった。足元はフロントがマクファーソン、リアが独立式マルチリンクだったから、スピードと性能は折り紙付きだ。イタリア車のセクシーなスタイリングやドイツ車の高級感には敵わなくても、200SXにはそれらにない別の魅力があった。
 
ヨーロッパ仕様は一般に装備が充実していた。長時間の高速走行に必要な冷却を確保するため、本来はオプションのNISMOのパーツを数多く標準で備えていたのだ。1992年にフェイスリフトを受け、バンパーが滑らかな形状になり、ホイールも変更された。ヨーロッパ向けS13型の生産は1993年後半に終了するが、日本では1995年にさらなるマイナーチェンジを受け、1998年まで生産された。
 
200SXはここで終わらなかった。日産は日本でS14型のシルビアを発売すると、これを200SXの名でヨーロッパでも販売したのだ。この2ドアクーペは、S13型より全長が少し伸び、幅が広く、車高も低い。ハンドリングが向上し、車重は増えたが、高級感は増した。新しい2リッターのターボ搭載SR20DET型エンジンは出力197bhpで、それを最大限に生かすため、LSDも装備した。
 
1996年に控えめなフェイスリフトを受け、プロジェクターヘッドライトがよりモダンな形状となり、テールライトは着色された。ターボチャージャーが改良されるなど、メカニカル面も変更されている。14型の生産は1998年末で終了し、ヨーロッパの200SXはここで幕を閉じた。しかし、シルビアはその後も日本で生き続け、大幅に改良されたS15型が2002年まで販売された。正規販売のなかったイギリスにも数多く渡っている。
 
200SXは時間と酷使と塩分に痛めつけられた。イギリスに輸入されたS13型200SXはほとんど残っておらず、価格が上がっている。後期のS14型はそれより見つけやすいものの、こちらも急速に減りつつある。

現在、この時代の日本のクラシックに対する関心が市場で高まっており、200SXもカルト的な人気を誇る。信頼性に優れ、ケアが楽で、実用性も高い。また、素晴らしい国際的コミュニティーが存在し、大切に使い続けている。良車を見つけて大事にすれば、(横方向も含めて)おおいに楽しめるだろう。


バイヤーズガイド
□価格
走行距離が大きく、少々傷みのあるS13型は4000ポンド前後から。徐々に上がっていき、メカニカル面とボディが最高の状態なら約8000ポンド。完璧なオリジナルも存在するが、1万2000ポンド以上は支払う必要がある。
 
S14型は今もS13型より価格が少し低く、しっかりした状態のものが3000ポンド前後から。トップコンディションなら約1万ポンドまで上がる。保存状態が最もよいのは走行距離の少ないAT車に多いため、MT車のほうが高額だ。いずれの世代も、モディファイ済みのものは大幅に高い場合がある。

□注意点
ボディシェルの状態がよいものを買うこと。錆は完全に消せない恐れもある。また、クラッシュでダメージを負った痕跡がないか、慎重に調べよう。モディファイはめずらしくないので、敬遠する必要はない。パワーアップもしやすいから、合理的な方法であれば心配は無用だ。ただし、出力アップの方法を示さずに大パワーを謳っているものは避けるべき。煙やノッキング、異音など、エンジンを酷使した形跡がないかチェックすること。丈夫なエンジンだが、限界はある。シンクロも痛めつけられている場合があるので、すべてのギアがスムーズに入るか確認すること。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

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