好不調あるクラシックカーの価格動向│名車には驚きの高値が?

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シルバーストン・オークションズは年末のNECクラシックモーターショーで、毎年のようにサプライズを提供してきた。今年の話題は元ワークスカーのトライアンフTR2だ。直近のオーナーの元に47年間あったユニークな1台で、TR2のオークション世界最高記録となる25万8750ポンド(約3337万円)で落札された。

予想通り個々の結果にはむらがあったものの、総売上は580万ポンドに上り、75%が落札された。最大の驚きは、走行距離が7000マイルに満たないBMWのE30、1991年325iスポーツで、5万1188ポンドという驚きの高値を付けた。これは単なるまぐれかもしれないが、最良のヤングタイマーが健闘を続けているのは確かだ。

ロンドンのオリンピアで開催されたRMサザビーズのオークションも、やはり結果にはばらつきが見られた。総売上は940万ポンド。落札額が低めに見えるロットもあったが、輸入関税が高くつく車が多かったため、イギリスのバイヤーには非常に不利な状況だった。

なんといっても最大の注目は、"ガレージ・ファインド"のランボルギーニ・ミウラP400Sで、残り少ない未レストアの1台だけに、推定額を上回る124万ポンドの高値が付いた。一部のエキゾチックなコンペティションカーが苦戦する中、例外だったのが1985年ランチア・デルタS4だ。ラリーで優勝歴のあるグループBカーで、アバルト・クラシケの認定証が付属し、76万4375ポンドで落札された。
 
アールキュリアルは10月にパリのオークションで208万130ユーロを売り上げたが、高価格帯の車は1台も落札されなかった。しかし低~中価格帯の車は寛大に受け入れられ、1981年ルノー5ターボは10万1320ユーロ、1976年フェラーリ308ヴェトロレジナ(グラスファイバー)は12万2776ユーロで新たな家を見つけた。最低落札価格の設定なしで出品されたバイクのコレクションは好成績を収め、安値で終わるものはほとんどなかった。
 
はるかに好調だったのが、ザウテGPで開催されたボナムスのオークションだ。特にフェラーリの独壇場で、ロングノーズでアルミニウムボディの275 GTBが最高値の287万5000ユーロ、続いて2004年エンツォが150万6500ユーロで落札された。前年同様、全体に堅調で、総売上は1060万ユーロ、落札率は76%だった。

ロンドン-ブライトン・ベテランカー・ランで恒例のボナムスのオークションは、ペースもひと味違う。今年ベテランカーをリードしたのは、"ル・パピヨン・ブルー(青い蝶)"として知られる写真の1901年パナール・ルヴァッソール7hpだ。落札額は44万2750ポンドで、推定額の倍以上だった。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

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