ベントレーらしい走りの良さに魅了される│新旧フライングスパーとミュルザンヌに試乗

Photography:Gensho HAGA


 
そんな涌井氏に、最新のフライングスパーに試乗していただいた。「私は2005年にデビューした2世代前のフライングスパーを普段の足として使っていますが、それに比べると新型はずいぶんスポーティですね。エンジン出力も70psほど大きくなって力強さを増しているし、車全体の剛性感も確実に上がっています。シートに腰掛けたときの適度なタイトさもスポーティな印象を強めていますね」


 
涌井氏の指摘は的確だ。3代目フライングスパーはプラットフォームを一新。前輪とエンジンの位置関係を"フロント・ミッドシップ" と呼んで差し支えのないレイアウトに改めたほか、ギアボックスはトルコン式からデュアルクラッチ式に、フルタイム4WDはトルセン式から後輪への駆動配分が大きな電子制御式に刷新することでドライバーズカーとしての素養を大幅に増強。


コンチネンタルGT同様、ロアコンソールからフェイシアにかけてベントレーウィング・デザインが反映された。レザーは15色から選べる。



熟成を重ねてきた6.0リッターW12ツインターボチャージドTSI エンジンは、ダイレクトインタークーラーを備え、ついに最高出力635psに!


ここに3チャンバー式エアサスペンション、アクティブアンチロールバー、ベントレー初となる4WSなどの可変技術を組み合わせることで、サルーンらしい快適性と2ドア・クーペのコンチネンタルGTと見紛うほどダイナミックな走りを両立してみせた。まさに、伝統的なフライングスパーのフィロソフィーを現代に甦らせたモデルといえるだろう。

文:大谷達也 写真:芳賀元昌 Words:Tatsuya OTANI Photography:Gensho HAGA 撮影協力:赤坂プリンス クラシックハウス Thanks to:The Classic House at Akasaka Prince

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