伝説のラリーカー アルピーヌA110│50年以上受け継がれるフィロソフィー

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1960年~70年代、世界ラリー選手権(WRC)で活躍した車といえば何を思い浮かべるだろうか。人それぞれ憧れの存在があるかと思うが、今もなお"伝説のラリーカー"として語り継がれる車にアルピーヌA110の名があげられる。

1963年に登場したアルピーヌA110は、アルピーヌの創業者でありラリードライバーでもあったジャン・レデレが、モータースポーツ界において高みを目指し、A108を前身に生み出した車である。レデレは1965年にはルノーと提携し、ラリーやレースに参加を重ねた。565kgという軽量化が図られたA110は、バックボーンフレームにFRP製ボディをかぶせ、そのサイズは3850mm×1460mm×1130mm(末期モデルは全幅が90mm拡大、全高が30mm低くなっている)という極めてコンパクトなもの。エンジンには、ルノー製1リッター 水冷直4OHVを搭載し、最高出力は48psの小さなパワー。しかし、軽量なボディが貢献し充分なパワーを発揮したのだった。



1971年のモンテカルロ・ラリーでは、モンテカルロやラリー・スペインで活躍していたスウェーデン出身ドライバーのオベ・アンダーソンを起用し、1.6リッターモデルのアルピーヌA110 1600が初優勝を果たす。さらに、1973年にはWRCではコンストラクターズタイトルを獲得。A110で培われた技術はルノー傘下になった後のマシンにも受け継がれていき、1977ccエンジンを搭載したアルピーヌルノー A442Bがル・マン24時間総合優勝も果たしている。

"伝説に残る車"アルピーヌA110は、根強いファンからの支持もあり2018年に"新型アルピーヌA110"として待望の復活を遂げた。誕生から50年以上経ち、改めてデザインされたA110はボディサイズは4205mm×1800×1250mmと拡大はしているものの、スポーツカーとしてはコンパクトなサイズ感。その中には、しっかりとオリジナルのデザインフィロソフィーが受け継がれ、アルピーヌが思う"スポーツカーの姿"が徹底的に注ぎこまれている。フロントの4灯や、リアへかけてなめらかに落ちていくフォルムなどもそれに当たるだろう。また、ベーシックモデルである、A110 ピュアはモンテカルロで優勝したA110へのオマージュを込めているものである。





もちろん、アグレッシブになったフロントフェイスや全高が増したことによりオリジナルとの印象は異なってくるものの、あくまでも現代において解釈されたミドシップスポーツカー、A110なのだ。エンジンは1.8リッター 直噴ターボ4気筒をバケットシート後部に搭載し、鋭いスロットルレスポンスと全回転域でのトルクフルな走りを実現。最高出力は250hpに達する。このモデルならではの力強さとエンジンサウンドを堪能することができ、フック製の軽量ホイールやサベルト製の軽量バケットシートを使用し、軽量化にも貢献している。そのような要素がすべて融合し合い、乗ってみると"バランスの良さに驚かされる"という声がとても多い。

見た目やパワーに違いこそあれど、「アルピーヌ」が誕生したそもそもの理由、「アルプス山脈のワインディングでも楽しめる車」という概念は決して揺らいでいない。

オクタン日本版編集部

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