市川海老蔵演じる石川五右衛門が、渋谷の地に降り立つ

是非一度歌舞伎に触れてほしい、という想いから企画された公演

「ABKAI」をご存じだろうか。読みは「えびかい」。「歌舞伎は難しそう」「舞台を観る機会がなかなかない」という人にも気軽に足を運んで歌舞伎を楽しんでもらおうと市川海老蔵が2013年から続けている自主公演で、過去三回の公演では50,000人を動員している人気の舞台だ。

第四回目となる今回の渋谷・Bunkamuraシアターコクーンでの公演の演目は「石川五右衛門 外伝」。昨年、博多座で好評を博した「石川五右衛門」に、新たなストーリーを構えスケールアップさせたものである。渋谷という地を選んだのも、異なるフィールドで活躍している中山優馬が新たに加入したのも、若者にもっと歌舞伎に親しんでもらいたいという気持ちからだという。

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市川海老蔵演じる石川五右衛門と、中山優馬演じる柳生十兵衛。二人の立ち回りもさることながら、芝居の運びや転換も早く、息つく間もなく物語が展開していく。色彩表現も豊かで、終盤には巨大ねぶたが現れ、幕切れには迫力の津軽三味線が響き渡る中、舞台いっぱいに踊り手が登場するという、エンターテインメント性あふれる構成は観客を飽きさせない。軽妙洒脱なやり取りも随所に散りばめられ、初めて歌舞伎に接する人も気負わず楽しむことができる内容になっている。

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歌舞伎と渋谷とは一見妙な取り合わせにも思えるが、よく考えてみれば渋谷は現代の「かぶき者」が集う街。むべなるかな、である。

市川海老蔵 第四回自主公演 ABKAI 2017『石川五右衛門 外伝』
日程:2017年6月9日(金)~25日(日)
会場:Bunkamuraシアターコクーン
料金:一等席:12,000円 /二等席:8,500円 /三等席:6,000円(税込、全席指定)
公式サイト:http://www.zen-a.co.jp/abkai2017/

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