35年を経たセナ vs ラウダ│メルセデス・ベンツの「ザ・リターンマッチ」

Photography:Dino Eisele/Mercedes-Benz

1984年に覇を争って以来、セナとラウダが操ったメルセデス・ベンツのレーシングサルーンが再び相対した。

いまどき200psなど、ターボディーゼル・エンジンを積んだセダンでも達成できるスペックだ。もっとも、かつては200psがホットハッチかどうかを判断するひとつの基準だったこともある。最新のポルシェ718ボクスターは標準モデルでも300psだが、1980年代は200ps程度に過ぎなかった。つまり、いまから40年ほど前は200psでも立派なパフォーマンスだったのである。たとえばポルシェ944は、最高出力を162bhpから220bhpへ引き上げるのにターボを必要としたくらいだ。

いずれにしても200psはファミリーサルーンにとってありあまるパワーで、レーシングカーにも用いられるパフォーマンスだった。なにしろ、あのアイルトン・セナでさえ200psに満たない車で立派にレースを戦い、鮮やかに栄冠を勝ち取ったくらいなのだ。

1984年のレース・オブ・チャンピオンズ。このイベントにはニキ・ラウダも出場していて、優勝したセナに続く2位でチェッカードフラッグを受けた。このふたりを含む全ドライバーが操ったレーシングカーこそ、真新しいメルセデス・ベンツ190E 2.3-16だった。いまや190コスワースの名でも広く知られるこのモデルが華々しいデビューを飾ったのが、まさにこの年のレース・オブ・チャンピオンズだった。



編集翻訳:大谷達也 Transcreation:Tatsuya OTANI Words:Glen Waddington Photography:Dino Eisele/Mercedes-Benz

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