超弩級高性能ロードカー!7台だけ存在したフォードGT40の「ロードゴーイングバージョン」

Photography:Paul Harmer



GT40Mk.Ⅲはたった7台しか造られなかったが、それは、フォードGTの輝かしい血統と戦績をもってしても、GT40Mk.Ⅲはあまりにエンスージアスティックで、極めて裕福なファンしか引き付けないということだろう。7台の行方を追ってみることにしよう。
 
シャシーナンバー"1101"は現存している。ただし、外装がMk.I仕様に改造されているが、バレットのクルマを見たオーナーはオリジナル仕様に戻すというだから、いずれ公開されるだろう。"1102"はGT40でのレース活動を支えたジョン・ウィアが所有していたが、現在はビューリーのナショナル・モーター・ミュージアムが所蔵している。"1104"はアルゼンチンに渡ったが、現在はアメリカにあり、オリジナルのダークグリーンのボディカラーはレッドに塗り替えられてしまった。
 
"1105"はMk.Ⅲの中でも最も有名な1台で、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の終身指揮者を務めたヘルベルト・フォン・カラヤンの元に届けられ、現在はピーターセン・オートモビル・ミュージアム(ロスアンゼルス)が所蔵している。"1107"は、1971年ロンドン・モーターショーに展示されたクルマで、元フォード・ヨーロッパ副社長でモータースポーツファンのウォルター・ヘイズが使用していたが、現在はフォードUKが所有し、毎年グッドウッドのヒストリックカー・イベントで"コースマーシャルカー" として駆り出されている。

東サセックスの公道では、控えめなボディカラーのGT40はコンパクトに見える。ファットなフェンダーを持つレース用のGT40を見慣れた者の目には、車幅が70インチ(1178mm)しかないMk.Ⅲ仕様は、とてもスリムな車に映る。もちろん全高はGT40の名の由来となった40インチで変わらないのだが……。


いよいよ公道へ・・・後編へ続く

オクタン日本版編集部

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