オリジナル・ドローウィングだけ!パトリック・ルケモンの多面性を多方面から眺める一代記

シムカ、フォード、VW−アウディ、もちろんルノー、42年に亘って自動車メーカーの一線でデザインを手がけ、ヒット作のみならず、さまざまな新しいデザイン提案をおこなうことで一時代を築いたパトリック・ルケモン。彼を綴った本をご紹介。
 
2年半を掛けて執筆されたこの本のタイトルは『Design』( デザイン)、副題は『Between the Lines』( 行間)。ルケモンを語る書籍としてこれ以上相応しい本名があるだろうか。彼のビオグラフィーはすでに刊行されているが、ルケモン自ら語るように「人生に踏み込んだ」点がこれまでのものとは一線を画す。彼は優れたデザイナーであり、卓越した才能を持つアーティストであり、MBAを持つマネージャーであると同時に自動車史の専門家であり、もちろんエンスージアストだ。フランスで生まれイギリスで育ち、多くの文化に触れた。今はヨットのデザインに魅せられている。多面性を持つルケモンを50の視点から眺めた点が、この本の特徴である。
 
興味深いのは写真が掲載されていないこと。代わってルノーで共にデスクを並べたドイツ人デザイナー、Gブラルトゥの手になる100点あまりのオリジナル・ドローウィングが読者を楽しませてくれる。これもこの本の魅力に違いない。

編集翻訳:由比夏子 Transcreation: Natsuko Yu Words: Guy Bird Archive photography: Ford, Renault, P. le Quément

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