佐藤琢磨がインディ500を日本人として初制覇!

2017年5月28日、佐藤琢磨が、インディ500を、日本人ドライバーとして初めて制覇した。6月13日、その凱旋報告取材会が、ホンダのウェルカムプラザ青山にて行われた。

170613_car_indy (6).jpg

インディ500、正式名称「インディアナポリス500マイルレース」は、F1 モナコGP、ル・マン24時間レースと並ぶ「世界3大レース」のひとつとして数えられる、モータースポーツの頂点である。

170613_car_indy (13).jpg

舞台となるのは、米国インディアナ州インディアナポリス市近郊にある「インディアナポリス・モーター・スピードウェイ」。F1 モナコGPの開催地であるモンテカルロ市街地コースや、ル・マン24時間レースの開催地であるサルト・サーキットとは違い、1周2.5マイル(約4.023km)のオーバルトラックである。モータースポーツにあまり関心がない人から見れば、インディ500は「同じところをぐるぐる回るだけの、速い車が勝つレース」に見えるかもしれない。

170613_car_indy (4).jpg

しかし、実際はそんな単純なものではない。コーナーへの侵入速度は370km/hから380km/h、先頭の車は空気抵抗をモロに受けて燃費が悪くなり、トラフィック(集団)内の車は常に周囲の車が発生する乱気流に晒され、不安定な状態を余儀なくされる。インディカーには通常の車とは違い、ドライバー左手に前後のアンチロールバーを操作するレバーが備わる。ドライバーはステアリングだけでなく、アンチロールバーも操作しながら、常に滑り続ける車両のバランスを維持し、2.5マイルのコースを200周、走行距離500マイル(804.672km)を闘うのだ。F1の世界で活躍したキャリアを持つ佐藤琢磨でさえも、最初は「これは俺にも出来ないかもしれない」と感じ、鳥肌が立ったという。

170613_car_indy (2).jpg

インディ500の初開催は1911年。今年で101回目を数えたが、日本人が優勝したのは今回が初めてとなる。佐藤琢磨は2010年の第94回大会から挑戦を続けており、8回目のチャレンジでの栄冠だった。この勝利について、佐藤琢磨は以下のようにコメントしている。

「本当にタフなレースでした。最後の5周、エリオは本当にフェアなレースをしてくれました。本当に素晴らしいレースでした。残り3周でエリオとサイドバイサイドになったときも、とにかく行くしかないと思っていました。まだ信じられないです。昨年までの4年間、私に素晴らしい経験を与えてくれたAJフォイトに感謝します。素晴らしい機会を与えてくれたマイケル・アンドレッティに感謝します。そして、26号車のチームクルー、エンジニア、ホンダ、パナソニック、とにかくみんなに感謝します。本当に凄いです。アンドレッティという素晴らしいチームに、ただただ驚くばかりです。このチームを本当に誇りに思います。そして、ずっとサポートして下さったスポンサーのみなさん、信じて応援し続けてくれたファンの方々に本当に感謝します。この偉大な勝利を大変光栄に思います。本当にありがとうございました」

170613_car_indy (3).jpg

この快挙には世界中のメディアが注目し、大々的に取り上げた。米国NBCは日本のテレビ実況中継も取り上げ、その興奮を伝えている。以下にNBC SportsのYouTUBEチャンネルへのリンクを掲載する。是非この動画、特に1:23以降の部分をご覧になり、興奮を感じ取っていただきたい。

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RANKING人気の記事