子供時代の空想やSF映画の世界を「空飛ぶ車」に│2段階から成る「製造」プロセスとは

MAD Gallery



子供時代に想像した空飛ぶ車に倣って、そのイメージに最も近かったクラシックカーの写真を撮ることにした。最初のうちに撮影したモデルは、シボレー・エルカミーノ、メルセデス300SL・ロードスター、そしてジャガーXK120というようなラインナップだ。

次に車を撮影するのに適した環境を探す必要があった。人が一切いないこと、特定可能なビルがある空間であることが条件だ。由緒正しい車が、20世紀半ばの建築物を背景に、様々なテクスチャーや、ぼかしたりした無彩色で、構図の中央に主役として据えられることになる。


「1970年代頃の建築物を探しました。それが私にとってのレトロフューチャーの定義だったからです。ビルは堂々としており、巨大で、グラフィック的でなければならなかったのです」

そして「空飛ぶ」車としての外観を整えるために、デジタルアセンブリ技術を駆使して、クラシカルな美しい車体からタイヤと車輪収納部を消し、車を異なる背景に融合させ、最終的にそれぞれの未来的な設定に適したシーンを演出した。

この作品は多くの注目を集め、マリオンはカーコレクターとのコンタクトが適い、パリで行ったAir Driveシリーズのフォローアップ撮影のために非常に希少な車を貸し出してくれた人もいたという。その中にはメルセデス300SL・ポールオシア、リンカーン・コンチネンタル、ジャガー・タイプE、メルセデス190SL、アストンマーチンDB5、そしてポルシェ356があった。


車だけでなく、ライカから最新モデルのライカSが貸し出され、ヴィンテージ車の写真撮影に活躍したそうだ。

「もしジュール・ヴェルヌやレオナルド ダヴィンチが知らず知らずのうちに創造した世界観が、それまで誰も想像し得なかった予測できない未来に我々を慣れさせるためだったということが事実なら、どうでしょう?」とマリオンは問い掛ける。

「それは現在と同じかもしれません。SFは至るところで見かけることができます。まさにSFの中でこそ私たちは、宇宙船を飛ばしたり、超能力者と遭遇したり、もしくは単に空飛ぶ車を運転したりする準備をするのではないでしょうか?」

オクタン日本版編集部

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