いくつものワールドレコードを樹立!「メルセデス・ベンツのレコードブレーカー」

Mercedes-benz

4ローター・ヴァンケル・エンジンから5気筒ディーゼル、そして500psのV8ターボとパワーユニットを変えながらメルセデス・ベンツC111はいくつものワールドレコードを樹立した。

テストコースでの偉業が自動車史におけるメルセデス・ベンツ C111の地位を確固たるものにしたのは間違いない。1969年のオリジナルC111は280psを発揮するトリプル・ローターエンジンを搭載し、162mph(260km/h)の最高速を記録、1970年にはさらに空力的に洗練され、350psを生み出す4ローター搭載のC111- Ⅱが187mph(300km/h)を記録、0-62mph(0− 100km/h)加速を4.8秒で走ってみせた。

 
しかし1973年に発生した石油危機と厳しい排出ガス規制が、燃費が悪く、排出ガスもクリーンではないヴァンケル・ロータリーエンジンの息の根を止めることになった。
 


その後エンジニアたちはディーゼルに方針を転換、300D サルーンの3リッター5気筒ディーゼルターボをベースに230psを発揮するパワーユニット開発した。1976年6月、ナルド・テストコースでC111- Ⅱ Dは平均156mph(251km/h)で60時間を走破し、16もの世界記録を樹立した。デザインチームはさらにCd=0.183という当時としては驚異的に空気抵抗が小さいC111- Ⅲを製作、1978年4月30日にテストドライバーたちは過酷な高速マラソンに挑戦した。このチャレンジは迷いこんだハリネズミのために台無しになりかけたり、リアタイヤがバーストしてボディが大きく破損したせいで一時中断を余儀なくされるなどのトラブルがあったが(一台はリタイア)、リザーブカーがより速く効率的に走れることを証明した。


 
12時間の連続走行中にそれ以上のアクシデントは起きず、C111- Ⅲは平均速度186mph(299km/h)でほぼ18mpg(7.65㎞ /リッター)の燃費を記録した。最高速は200mph(320km/h)を超え、9つの世界記録を塗り替えることになった。
 
その後4.8リッターV8ツインターボ(500ps)を搭載したガソリンエンジン仕様のC111- IVは、1979年5月5日にラップ平均で251mph(40km/h)という世界記録を樹立した。1971年に2台のC111にメルセデス280SE 3.5サルーン譲りのM116型3.5リッターV8が積まれたが、ここに登場したのはそのうちの一台である。

オクタン日本版編集部

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