「101年目のシトロエン試乗記 その3」若者や女性にもすすめたい!実用性抜群のコンパクトSUVの魅力



また、このC3 エアクロス SUVは近所のお買い物でなくても、荷物がたくさんになるお出かけにも向いている。ラゲッジルームは通常410リッターの容量を持ち、後席をスライドすれば最大520リッターまで拡大できる。さらに、リアシートをすべて折りたためば、最大1289リッターというスペースが出来あがるのだ。DIYを趣味としていて、よく大きな物を購入するという人に最適だ。助手席をたためば2.4mの長尺物も載せられるため、趣味の世界がさらに広がるだろう。



さて、その走りはといえば最高出力110psであるため、決して速く、パワーのある車という印象ではないが用途からして相応しいだろう。エンジンから発せられるサウンドは、なんというか、"ゴゴゴゴ、ウィーン"という感じ。外から聞いてみるとそれなりに音も大きいのだが、"あ、この車はにんまりフェイスで頑張って走っているんだ!"と思うのだ。どうにも憎めない雰囲気がある。

トランスミッションは6段EAT(エフィシェント・オートマチック・トランスミッション)を搭載している。これにより、ハイギヤード化され同一速度域でのエンジン回転が下がるため、燃費向上や静粛性を高めるといった効果がある。つまり、トルクコンバーターのスリップロスや、ミッション全体のフリクションロスも低減されている。減速のシフトダウンのタイミングが特に自然で、せわしない走りにならない。しかし、低速で走り続けなければいけない渋滞や、静止状態から走り出しの時点で少々もたつきを感じることはあったものの、普通に走っている分には気にならないだろう。シャープでなめらかに感じるのは70km/hくらいに乗ってからだろうか。高速道路だと、どんどん走りたくなる。ついつい、もう少し先まで行きたくなってしまう。わざと遠回りしてみたくなったり。運転していることにストレスを感じないからだろう。

安全面においてもスピードリミットインフォメーション&リコメンデーション(走行中に車載カメラが道路標識の制限速度を認識してインストルメントパネルに表示する)、パークアシスト(車庫入れや縦列駐車の際に、駐車可能なスペースを検知し、ステアリング操作を自動で行う)、アクティブセーフティブレーキ(前方の車両や障害物を検知し、ドライバーが回避操作を行わない場合に自動的にブレーキを作動させる機能)、ブラインドスポットモニター(斜め後方の死角に存在する後続車両を超音波センサーが感知し警告する)といった装備もあるため、少し運転に自信がなくても安心だ。

路面状況に合わせてトラクションを最適化するグリップコントロールもある(SHINEパッケージのみ)。ノーマルモード、スノーモード、マッドモード、サンドモード、オフモードの5つのモードが用意されており、慣れない路面の悪い道を走るときも頼れる存在である。今回の試乗では、特に変わった道を走ることはなかったため使用することはなかったが、いざという時に力を発揮させてくれるに違いない。



こうして実際に乗ってみて思ったことは、確実にこの一台は周りと差を付けられるということ。この試乗車と同じフル仕様であっても約340万円という手に届く価格であることも、何の車を買うか迷っている若い世代にすすめたい理由のひとつ。個性的ではあるが、主張しすぎないため、嫌味な印象が全くないことも嬉しい。友人と出掛けるため、趣味をもっと楽しむため、自分だけの一台を持つため・・・。そして、車にあまり興味がないという女性でも、ポップな見た目、車内空間、使い勝手の良さで気に入ってくれると強く思う。車を好きになるきっかけにも充分なりうる一台だ。家族みんなでカラーバリエーションを選んでみたりするのも良いだろう。



乗ってみないと分からない魅力、所有しないと分からない愛着というものをシトロエンは変わらず秘めている。ぜひ、一度実車も体験していただきたいが、自宅でコンフィギュレーションを試し、カラーバリエーションだけでも先に選んでみたりとお楽しみいただきたい。



シトロエン C3 エアクロス SUV
ボディサイズ:4160×1765×1630mm
ホイールベース:2605mm
車重:1310kg
駆動方式:FF
エンジン:1.2リッター PureTechガソリンターボ
トランスミッション:6段EAT
最高出力:110ps(81kW)/5500rpm
最大トルク:205Nm(20.9kgf・m)/1750rpm
燃費:14.7km/リッター(WLTCモード)
価格(税込):302万5000円(FEEL)

試乗車価格(SHINE パッケージ)
価格(税込):338万4810円

オプション装備品:
メタリックペイント 4万9500)
ナビゲーションシステム 24万2000円

オプション装備品 ETC 2.0 4万4550円
オプション装備品 フロアマット 2万3760円
ボディカラー:サーブル
ルーフカラー:インクブラック
カラーパック:オレンジ

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