ショックのあまり体調を崩した ?! ラリーの世界王者を襲った悲劇とは?

Porsche AG

モータースポーツ史の中で最も傑出したラリードライバーだといわれるヴァルター・ロールは、プロとして活躍した1973年から 87年までに2度(1980/1984 年)FIA 世界ラリー選手権王者に輝いている。さらに、世界選手権では通算14度の優勝を記録し、モンテカルロ・ラリーは4度も制覇している。そんな彼の回顧録をご紹介。

「トスカーナで開かれるラリー・サンレモは、モンテカルロやニュージーランドのラリーと並んで私のお気に入りの大会でした。1981年当時はまだポルシェではなく、経営面で問題を抱えている別のワークスと契約を交わしていました。そのため、私はドイツの国内選手権においてのみ、ポルシェ 924で参戦できることになったのです。さらにポルシェはサンレモでも 911を供給すると提案してくれました。私は “ポルシェに勝利を献上することができれば、これからのラリーでもここのワークスマシーンで参戦できる” と確信していたので、サンレモでは必ず勝つつもりでした」

サンレモの初日はアスファルト・レースなので、余裕で私はトップを走っていました。そして次の2日間はトスカーナのグラベルが舞台。当然のことながら、ライバルたちの4WDカーが強かったです。ですが、私たちの計算では “この 2 日が過ぎた時点で他レーサーのマージンが 4分以下であれば、最終日の夜のアスファルトで逆転できる” と、いうものでした。そして、幸いにもトップのマージンは、グラベル終了時点で2分10秒にとどまっていたため、期待が一気に高まりました。そんな時に限って無念にもマシンのアクスルが破損してしまったのです。これは私の今までのキャリアで最も悔しいリタイヤとなりました。現にそれが理由で、私はラリー後に4 週間体調を崩していました。本当にショックだったのです」

オクタン日本版編集部

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