伝統和工芸とジャパニーズサブカルが見事に共存|ギャラリー「品 Shina」が銀座にオープン

Shina

日本の美を代表する伝統工芸作品と、現代日本のサブカルチャーが融合したアートギャラリー「品 Shina」が東京・銀座にオープンした。アパレル業界の雄であるタキヒヨー株式会社が手がけるこのギャラリーでは、良質なものを見続けた老舗ならではの審美眼によって全国から選りすぐられた作品の数々が揃えられている。

ギャラリーは2階建て。1階には伝統的な和の工芸、2階にはポップなジャパニーズカルチャーと、趣の異なる世界が展開される。一見、まったく違うコンセプトかと惑わされるが、実は共通の価値観が根底に流れている。それは「日本の手仕事」だ。

2階で扱われるフィギュアやビニールの玩具はすべて日本製のもの。実はこの世界も職人が少ないため、日本製の玩具は大変貴重なのだ。ハッと目をひくスカジャンもオリジナルの一点物。手仕事でていねいに仕立てられているのがひと目でわかる。


着物をリメイクした羽織り物やアロハシャツも、素材と絵柄を活かしてモダンな服として現代に蘇っている。


鮮やかなスニーカーにも注目したい。スニーカーをキャンバスに、江戸時代の絵師、伊藤若冲の絵柄が緻密に再現されているのがおわかりいただけるだろうか。




話を1階に戻そう。伝統工芸の作品は、このギャラリーをオープンするにあたって新たに制作を依頼した作家物ばかりだ。アドバイザーの滝祥夫氏みずからがイチから、いやゼロからの開拓といってもよいほどの情熱で何年もかけて全国を巡り、そこで手にした作品をもとに作家にオリジナルの作品制作を依頼し作り上げたものだという。
https://www.shina-ginza.jp/


伝統工芸とはいっても、旧きを懐かしむベテラン職人の作品ではなく、伝統を受け継ぎながらもそこに何かしらの新しさと物語が加えられている若手作家の作品が多いことも特徴だ。





たとえば九谷焼の小皿。通常の九谷焼で使用する釉薬を使っていないため、マットな質感に映える絵付けが新鮮だ。絵柄は、海外のステンドグラスにインスパイアされたものに、鳥獣戯画を彷彿する兎を組み合わせている。さらにそこに描かれた市松模様にも、メッセージも込められているのだとか。市松模様は四角形が黒✕5、白✕4、黒✕5、白✕4…と組み合わされている。数字の5、4、5、4を別の読み方をすれば「いつつ、よっつ、いつつ、よっつ」。それを読み替えて、古来日本では市松模様に「いつのよも、いつのよも」というメッセージを託したのだという。つまり「末永くあなたのことを想っていますよ」と。なんと艷なことだろう。



1階ギャラリーのメインにディスプレイされた着物の柄にもメッセージが込められている。破れ扇子の意味するところは、「ネバーギブアップ」の精神。


それぞれの作品に込められたストーリーを知ると、工芸品に生命が吹き込まれたようで愛おしさすら感じられる。「購入した方には、工芸品とともにその精神も持ち帰っていただきたい」という、作り手とギャラリーの想いがそこにはある。


品 Shina
東京都中央区銀座5-5-6三平ビル
営業時間: 11:00〜20:00
公式ウェブサイト:
https://www.shina-ginza.jp/

オクタン日本版編集部

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