広大な自然の中をラリー!サンディエゴからメキシコへクラシックカーが駆け抜ける

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年に一度、"Targa Baja"のために多くの車好きが集まる。このイベントでは、バハ・カリフォルニア周辺を含め、互いを追いかけ合うように4日間をかけ走行するのだ。 

私はすでに何度か参加しているのだが、2020年は友人のニックと1992年 アルファロメオ SZを選んだ。彼が、この車は走るのに良いから、と選んでくれたのである。ルートはたった3万マイルで、何か問題が起こるはずもない。サポートクルーたちもいるため、迷うこともないし、もし何か壊れればみんなで協力して修理しようともする。

サンディエゴで集合し、夜が明けるとドライバーズミーティングがおこなわれる。“もし銃を持っていても、国境には持ち込まないこと”というルールもある。メキシコへの道についてヒントはなく、グループで走っていく。 

51台で街を抜けて行き、ハイウェイへ。他の車がまったくいなく、走るには最高だった。砂漠、山々… 大自然を駆け抜けていく。一台のキャデラックは私たちを165mphで抜いていった。 

私がこのラリーで好きなセクションは、La Rumorosaと呼ばれるもの。11マイル続く砂漠の中にあるハイウェイを走っていくコースだ。山に囲まれた道だが、かなり大きなトラックが対向車でやってくることも頻繁にある。ある意味、"障害物競走"とでもいえる。列をなして走る車をおさめるには最適だった。私はオールドメルセデスの後ろに乗り、ドライバーにはゆっくり進むようお願いしながら撮影した。SZ、トランザム、マスタングが並んだところに見事に光が差し込み素晴らしい1枚を撮ることができた。さらに、La Rumorosaの気に入っている点は、給油所がバーベキューレストランでもあるということ。そこでまた全員が集まりバーベキューを楽しむのである。



次のストップはエンセナーダだ。レストランから2時間ほどで到着する。グループごとに出発して、ハイウェイへ。渋滞もなく、道もなめらかで非常に爽快だ。エンセナーダのホテルに到着すると、駐車場は参加車でいっぱいになった。壊れたところを自分で直している人もいる。夕食の後には少しドライブに出るも良し、ビールで乾杯するも良し、参加者同士の語り合いも必要になる。

翌日はエストラーダから、内陸のほうへとドライブを進めた。人の多い街とは全く違った雰囲気で、地元の人々が私たちに手を振ったり、写真を撮ったりしている。



私たちのアルファロメオにはスポーツモードとノンスポーツモードが付いているが、ノンスポーツを押してみたところ何かがおかしい・・・とニックと私は感じ、結局スポーツモードでずっと行くことにした。しかし、このアルファは極めて快適で、シートも長時間ドライブでも大丈夫。エアコンも効き、水温が上がりすぎることもなかった。さらに、燃費も悪くない。ラジオがなかったが、走行中はそれに気付かなかった。ひとつだけ、テールパイプが破損するということがあったのだが、地元のマフラーショップに行ったらたったの11ドルで修理してくれたというのもひとつのハイライトだ。



最終日は国境を越えていく。早朝に出発すればそこまで混まないだろうと思ったのだが、アメリカへ入国するには検問で2時間ほどかかってしまった。途中には車のグッズを売りつけてくる売り子がいたり、横入りしようとする車がいたり。警官から横入りを注意されたら、列の最後に戻る。ということを繰り返しているのだ。そんなことも経験しながら、アメリカへ戻りツアーは終了に。

もう一度参加するか?と聞かれれば、その答えは”イエス”だ。4日間にも及ぶものであったが、ホテル代、食事代も含めて10万円もかからないのである。次回は何の車で参加しようか、わくわくしながら考えている。

Words: evan klein 訳:オクタン日本版編集部

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