フェラーリをDIY ?! │ボロボロのままで乗っているテスタロッサとの出会い

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1980年代に育った世代であれば、フェラーリ・テスタロッサのポスターを部屋に飾っていたのではないだろうか。ホワイトのテスタロッサを見たいがために、マイアミ・バイスを何度も観たり、アーケードレースゲーム『アウトラン』で遊んだりしただろう。この記事の主役であるスコット・シバースもそんな少年時代を過ごしていた。そして、スコットは見て楽しむだけではとどまらず、実際にテスタロッサを購入したのである。

しかし、スコットが所有しているテスタロッサは他のものとは全く違う。“リサイクルされる寸前の車”というような見た目なのだ。彼はそれを‘Ratarossa’と呼ぶ。‘Rat’とは、わざと見た目を汚くする加工方法で、VWビートルではひとつの大きな文化となっている。そして、彼はボロボロだったテスタロッサを手にし、ルーフを切り落とし、下地用の塗装を施した。インテリアはといえば、これまでに見たことがないほどくたびれている。



Ratarossaとの出会いは、スコットがもう一台のテスタロッサに載せるエンジンを2016年にインターネットで探していたときだった。これから廃車されるかのようなテスタロッサを見つけたという。「最初見たときは完全にレプリカだと思いました。けれど、よく見てみると本物のテスタロッサなんです。すぐに売りに出している人に連絡しました」と笑いながら話す。

その広告は3年間も掲載されたままだったが、12気筒エンジン、5段MTのギアボックスも見られ、このチャンスを逃すわけにはいかないとスコットは思った。「連絡してみたら、まだガレージに2箱分のパーツと共に置いてあるというのです。すべてパーツを出して、写真を送って欲しいと頼みました。そして、1万6000ポンドで購入したのです」。“全てバラバラにしてパーツ取り車とするのではなく、また走らせる”ということを条件に購入した。

スコットは安いテスタロッサを探していたわけでは全くない。他にもルノー 5GT ターボ、348 スパイダーなどを所有し、これまでに30台ものフェラーリを乗り継いできている単なる生粋の車好きだ。今となっては、Ratarossaの影響ですっかり有名人になっている。彼はIT関連の仕事をしていて、収入が高かったおかげで様々な車を所有することができていた。しかし、ある日仕事に楽しみを見出せなくなり辞めた。そこから、“車を作る”ということに興味が湧き、YouTubeでその過程をアップしていこうと思いついた。

オクタン日本版編集部

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