カルト的人気を誇る「ヤングタイマー」│美しくメンテナンスされてきた一台の落札額は?

RM Sotheby's

不思議に思う人もいるようだが、ランチア・デルタ・インテグラーレのカルト的人気は、これまで以上に高まっている。なかでも特別仕様のエヴォルツィオーネは引っ張りだこで、これ抜きでは真の "ヤングタイマー" コレクションは完成しない。しかし、私たちが愛する理由はほかにある。

単にコレクターズアイテムとして語るのは、素晴らしい評価を築き上げたこの車の精神に反する。インテグラーレはラリーの舞台でグループAを代表する存在となっただけでなく、ドライブの満足感と喜びを味わえるロードカーとしてもエンスージアストから熱い信奉を集めた。最も高い値札が付くのは走行距離が極めて少ない車かもしれないが、所有の楽しさで随一なのは、走行距離のもう少し多くても、オリジナルの状態でよくメンテナンスされた車だ。RMサザビーズに出品されたこのエヴォルツィオーネIIは、新品同様に見えるがしっかり使い込まれており、オドメーターは8万6804kmを指す。



新車としてドイツで販売された50台のジャッロ・ジネストラの1台で、こうしたイエローのヨーロッパ向けエボIIは、公式には220台しか製造されなかった(実際にはもう少しファクトリーを出たと考えられている)。今も最も人気の高いカラーコンビネーションであり、1993年後期の製造なので、215bhpのエボIIとしては最終期に造られたことになる。



このエボIIは、大半をドイツとオーストリアのオーナーの元ですごしてきた。直近のオーナーは、できる限りよい状態にしようと、インテグラーレのスペシャリストであるカールホーファー社に、きめ細かい専門的なレストアを依頼し、2017年に完成した。



作業には、エンジンと駆動系のフルリビルドと、アンダーサイドとサスペンションのオーバーホールが含まれ、エンジンベイ、ボディワーク、インテリアの状態も高水準に高められた。カタログによれば、オリジナルのクラリオン製CRX111ラジオもいまだに装着されている。

エッセンに代わってオンラインで6月3~11日に開催されたオークションに、最低落札価格の設定なしで出品されたが、8万9100ユーロ(約1069万円)で落札された。

オクタン日本版編集部

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