北へ、南へ、シトロエン2CVと30年│第3回:シトロエン2CVとVWビートル徹底比較(その1)







現代的な目で見ると外観は似ている2台だが、よくよく並べてみると全体的に曲線で構成されたビートルに比べて2CVは随所に直線が織り交ぜられていることがわかる。近くで見るといかにも分厚い鉄板で丁寧に作られている(ように見える)ビートルに比べて、2CVは我が愛車ながら鉄板が薄そうなうえに歪みも目立ち少々貧乏くさい。



サイズ的には全長4.1mのビートルに対して2CVは3.8mと一回り小さい。ところが乗り込んでみると室内空間は逆に2CVのほうが若干ではあるが余裕がある。



183cmと日本人にしては大柄なヤング編集部員Mが乗り込むと、ビートルは特にリアシートのヘッドクリアランスが厳しく、前かがみな姿勢となってしまうのがわかるだろう。



2CVはシートが極めて薄いことが前後方向の余裕に貢献している。ハンモックのような構造の2CVのシートはチープな見かけと裏腹に長距離ドライブでも疲れにくい。



運転席も2CVは頭上空間に余裕がある。ただしステアリングがかなり寝ているので違和感を持つ人もいるだろう。



一方のビートル。この写真では運転席も窮屈そうに見えるが、ルーフ中央が盛り上がった形状になっているため、意外とヘッドクリアランスには余裕がある。ステアリングの角度は現代の乗用車とさほど変わらない。テスト車は右ハンドルのためにアクセルとブレーキがやや左にオフセットされているのは気になるところだ。



似ているようで似ていない2CVとビートルの対決はまだまだ続きます。筆者が2CV乗りであることから圧倒的な2CV有利が予想されますが、次回はその走りを日本初の画期的なテスト方式(当時)でリポート予定。お楽しみに!


*この記事は2016年1月から2月にかけて別媒体に掲載されたものを再編集しています。

文:馬弓良輔 Words: Yoshisuke MAYUMI

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