内装がはぎ取られ放置されていた!現存1台の超貴重なポルシェがレストアされ販売中

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見たところ一般的なDOHCエンジンの356と根本的に違うわけではないが、カレラGTはファクトリーが内装をはぎ取り、原形を留めないまでに軽量化したモデルだ。

この "究極" の356は、純粋にレースのために約40台が造られた。550スパイダーから派生したエンジンをさらにパワーアップして搭載し、スチールの代わりにアルミニウム製のドア(窓はアクリルガラスに)、エンジンカバー、ボンネットを装着。サスペンションとブレーキも強化された。このカレラGTは、新車で香港の輸入業者であるジェブセン社が販売した。最初のオーナーによって1961年マカオGPに出走し、次のオーナーも地域の他のイベントにいくつも参戦した。記録によると、1980年代中頃に何度かオーナーを変えたようだ。

その後、1993年に現オーナーが発見した。小さな空調機修理工場で、内装をはぎ取った356カブリオレのようなものが箱の下にあるのを見て、興味を引かれたのだ。これは特別な車ではないかと感じた現オーナーは、ポルシェにシャシーナンバーを問い合わせ、本当にカレラGTクーペであることを確認すると、オーストリアの自宅に輸送した。



レストアは容易ではなかった。いずれかの時点でボディが雑な作業でソフトトップにコンバートされていたからだ。2004年にボローニャのカロッツェリア・ティツィアーノ・セラッティーニに送り、ボディをクーペに戻す作業が始まった。



幸い、内部構造はしっかりした状態で、アルミニウム製のドアや100l燃料タンクなど、"GT" の鍵となるコンポーネントも残っていた。繊細で複雑な板金加工が完了すると、ボディはオーストリアのアルノー・ラインバッハに送られ、そこでリビルドがおこなわれた。

2016年に完成して以来、シェイクダウン走行しかしていない。オリジナルのエンジンは既に失われていたが、カール・ハロッホが組んだ正当なタイプ692/3の純正DOHCエンジンを搭載する。次のオーナーにとって好都合なことに、このシャシーナンバー115378には、スペアとして純正のOHVエンジンが付属する。つまり、これを使ってレースに出る選択肢もあるのだ。標準のエンジンはエキゾチックとはいえないが、貴重なオリジナルの4カムエンジンを超えるレベルにまでチューンアップすることも現在では可能だから、そそられる選択肢である。



右ハンドルとして造られたカレラGTは3台しか知られておらず、現存が知られているのは1台のみ。非常に特別で希少なポルシェ356というだけでなく、トップクラスのレースにも出走できる。ヒストリックイベントの再開が待ち遠しい。販売価格は85万ポンド(約1億122万円)。

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

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