「大事なのは好きであること」パリの早朝をバイク仲間と共に走るモーニング・ライドに参加

Photography:Tomonari SAKURAI

ウイルスと生きていく。そういう選択肢でまだ増える感染者の中規制を緩和して行くフランス。ようやくパリもレストランやカフェなども通常営業が可能になってきた。パリの名物の一つエッフェル塔もいよいよ来週再開。”あと5日”という表示をしているエッフェル塔がある。イベントはまだ人が密集することもあり再開は9月、10月になるだろう。多くのイベントは今年の開催をあきらめ来年にスケジュールを変更したまま。

それでも趣味は止められない。昨年9月にお伝えしたMotor & Soulは今年の開催を見合わせたが、小さなイベントを再開した。それがモーニング・ライドだ。毎月行っているイベントだがロックダウンで3月から中止してきた。ここでそれ以来初の開催に踏み切った。Motor & Soulの主催をするステファン氏はその場でも話してくれたが、「条件はただ1つ、車好き、バイク好きであること」

車種や年代などにはこだわらない。とにかく「好き」が大切。このモーニングライドも特に登録や会員制などもない。このイベントを知って、参加したければその日の集合場所に集まれば良い。そしてみんなで一緒に楽しもうというものだ。


バイクもスタイルもそれぞれの楽しみ方で。それでも話しが始まるとそこには笑顔が生まれるのだ!
 
土曜の朝5時パリの西方ポルト・ドゥ・サンクルーに集合。およそ30台ほどが集まった。5時になると主催者のステファン氏から本日のコースを説明される。そして、道交法の厳守を強調して伝えられる。集まった人は40〜50代が大半で一応、分別のありそうな人たちばかりで暴走行為はなさそうだ。のんびり愛車でパリを楽しもうというとても穏やかな雰囲気。
 
集まった車両はBMWとハーレーが中心でステファン氏のモトグッチのほか、トライアンフも複数参加。カワサキやホンダなど日本車勢は少数でちょっと寂しい。趣味のバイクという意味で日本車はやはり弱いのかもしれない。


BMWでもR nine Tは一番人気で3台が参加。その中でも際立つのがこいつだ。全く別物のシルエットになっている。
 
フランスはこの時期サマータイムで日没は午後10時くらい。その代わり、日の出はちょっと遅く午前6時のちょっと前。集まったときはまだ夜のように真っ暗だ。スタートしてセーヌ川沿いを走り西側から中心に進んでいく。エッフェル塔は深夜1時で消灯してしまうので薄明るくなってきた空をバックにシルエットだけが浮かぶだけなのが寂しい。それでも普段なら渋滞ですり抜けも出来ないような道もほぼ貸切状態で軽快に走れる。おっと。だからといってスピードを出しすぎないように。あくまでも法定速度厳守。


凱旋門を真横から。
 
エッフェル塔をかすめて更に東に。ナポレオンのお墓のあるアンバリッドでいったん駐車して撮影を楽しむ。本当なら朝焼けで綺麗な空も残念ながら薄曇りでぼんやりとした水色の空気に包まれているのみ。
 
さらに西に進んでバスチーユ方面に進み、そこからセーヌ川の中州サン・ルイ島に入って修復が進むノートルダムを望む。今度は西に向かって、ツールドフランスの最終コースでも使われるチュルリー公園とルーブル美術館の間のトンネルを抜けて北上。オペラ座を抜けてモンマルトルの丘へ。モンマルトルの丘からまだ眠たそうなパリを見渡す。週末という事もあり、モンマルトルの丘は若者達が宴の後。酔いが回った連中が面白がってやってくる。そんなときにバイクの集団を見つけたこの地域の警察も登場。バイクが集まってること自体悪いことではないので問題ない。


参加者最大排気量Triumph Rocket 3は2500ccという排気量。

それよりもこの警察がつくなり蜘蛛の子を散らすような勢いで酔っぱらいたちが消えていった。参加したライダー達とその警察官達はくわえたばこで笑顔で談笑。「一緒に写真撮ろう!」と誘うとはにかみながらその場を去って行った。僕らだけで集合写真を撮ると今度は丘を一気におりて、エッフェル塔が一番綺麗に見えるトロカデロ広場に集合。エッフェル塔をバックに本日最後の集合写真。ここで解散。予定通り午前7時をちょっと廻ったところで終了。といっても皆向かいのカフェでプチ・デジョネ(朝ご飯)をいただく。趣味の車やバイクの話し、これからのイベントの事、1時間ほどかけてのんびりとクロワッサンとカフェ・オ・レをいただいて、また来月!といってみんなそれぞれの週末に帰って行ったのだった。


このKawasaki XVの紳士。ちょうど僕がうちをでて国道に出たところから一緒だった。聞くとご近所さん。ジャケットにはGOODWOODのパッチがあるので車もお好きかと聞くとアルファロメオ・ジュリアGTAも所有する。

ちょっと早起きして、趣味の合う仲間と走ることで普段見慣れた風景がまた違って見える。そういえば自分もパリを走るといえば渋滞でイヤな印象しかないし、そんな中で景色を楽しんでいられない。それが今回走ったことで新鮮に見えたこと。こんな小さなイベントの再開が、これからの大きなイベントへ向けたすてきな第一歩となっていた。


よりリアルな空気を楽しめるムービーはこちらより


写真&文:櫻井朋成 Photography&words: Tomonari SAKURAI

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