歴史に残る瞬間を蘇らせる│カーレースをテーマにした貴重なネガをレストア

MAD Gallery

熱狂的なカーマニア、ダニエル・ベルクとセルジュ・ブリソン。二人は車への熱い想いを原動力に、かつてのモータースポーツ界のあらゆるシーンを捉えた数々の写真の中から忘れ去られた瞬間に光を当てよみがえらせる。有名写真家たちが捉えた伝説的ドライバーらの一栄一楽を表現する、優れたモノクロ写真を蘇らせるのだ。

カーレースをテーマにした希少で入手困難なネガを探し出すというある種の使命感を持ちながら、ベルクとブリソンは独特なチャレンジに立ち向かっている。過去10年間において彼らは、伝説を作り上げた要素が完璧に織り込まれている貴重な写真の数々を追求し続けてきた。特にガラスプレートのネガなど特別なネガを求めて世界中を旅した彼らは、何千ものネガを目にし、その中から際立ったものだけを収集してきたのだ。

貴重なネガを選び抜いた後は、今日の最先端技術と融合し、当時のネガから最高の画像を引き出す。修復担当の才能豊かなアーティストチームがまず、時間の痕跡を取り去る。破損部分、キズ、スリット、折り目、シミにも対応しながら各問題の性質や状態に応じて特別な技術を施していく。保存年数と保存状態と合わせてネガのマウントに対応する必要があり、このプロセスには通常多くの工程を要し、時間もかかる。大変緻密な修復作業が必要となり、特にゼラチンフィルムのネガには数時間、破損が大きいガラスプレートの場合は数週間を要するそう。ネガをファインアートのクオリティーで印刷して作業は終了となる。これはアーティストの作品を正しく複製するための重要で決定的なステップだ。



「私たちは細心の注意を払って写真家たちのネガを慎重に取り扱います。私たちには彼らの作品に何らかの変更や修正を加える権利はありません。彼らに対する私たちの絶対的な敬意があってこそ、このコレクションが特別で唯一無二の存在となるのです」とベルクは述べている。

1925年から1963年はモータースポーツ界に大きな変化がもたらされた時期だった。過酷なレースとして名高いル・マン24時間レースなど、有名なカーレースで繰り広げられた憂愁と勝利の瞬間が私たちに感動をもたらした。ゴール直前の激しい競り合いや壮絶なクラッシュを描写する写真の一枚一枚が、レーシング界のパイオニアたちの熱烈なストーリーを語りつつ、時間さえも止めてしまうかのようだ。

これらの写真のほとんどは高い評価を得たフランス人写真家、ルネ・パリが手がけたもの。彼は完璧なテクニックを持ち合わせていただけでなく、最適な瞬間に最高のショットを捉えるという非常に優れた才能を持ち合わせていた。ベルク&ブリソン・チームはルネ・パリの貴重なネガを探し出し、非常にデリケートで細かい修復プロセスを取り入れ、それらを見事に復活させた。

オクタン日本版編集部

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