北へ、南へ、シトロエン2CVと30年│第4回 シトロエン2CVとVWビートル徹底比較(その2)




ここまで主観的なインプレッションが続いてきたが、最後は客観的な数字でその動力性能を比較しよう。舞台は2016年当時、Octane日本版編集部があった虎ノ門のすぐ裏にある「江戸見坂」だ。撮影しているうちに時間が無くなってやむなく選んだわけではない。



この坂は全長200mにも満たない坂だが20%(水平方向に100m進む間に20m上がるという意味。三角関数で表記するとtanθ=0.2、つまり約11.3°)と、かなり急な坂なのである。非力なクラシックカーの動力性能を測るのにこれほどうってつけな場所はない。Top Gearもたじろぐ過酷なテストである。写真が暗いのはライトを点けたほうがカッコイイと思ったからで、決して時間がなくなったわけではないことは重ねて申し上げておく。



最初にビートルでアタック開始。太いトルクを生みだすフラット4エンジンと、そのトルクを有効に引き出すスポルトマチックが、このような急坂ではきわめて効果的だ。グイグイとまではいかないものの、力強い加速でいきなりの10秒切り!なんと9.8秒というタイムをたたき出した。正直、初めてのコースなので、このタイムがどれほどのものかはわからないのだが、なんとなく10秒を切ったことに心が高ぶる。



続いて2CVでアタック。有効なトルクが出る3000回転でクラッチをミートすると軽いホイールスピンを伴いながら2CVは猛然と加速する。キキーッというスキール音が閑静な街に響きわたる。坂の上にはホテルオークラがある高級なエリアだ。周囲の人々が振り向いた(気がした)。 



が、しかしそんな加速は長続きしなかった。1速は30km/hで吹けきってしまい稲妻の速さで2速にシフトアップするものの、低回転域のトルク不足で加速は途端に緩慢になる。タイム計測係で横に居座るヤング編集部員Mの巨体が恨めしい。結果は12.4秒。ビートルに大差をつけられてしまった。一人乗りだったら、平坦な道だったら、と言い訳が頭をよぎるが、ここは素直に負けを認めよう。

文:馬弓良輔

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