コケだらけ、木も生えてきている!│アート同然?捨てられて自然の一部になっている車を写す

Dieter Klein. All rights reserved

ヨーロッパ、アメリカにある車を写した作品を集めた、フォトグラファーのディーター・クラインによる新たな写真集"Lost Wheels"の一部をご紹介。

「絶対にそのまま後ろに下がらないで。もし、三脚の位置を変えたいのであれば振り向いて、一歩ずつ進んで。そうすれば、歩みの先に何があるか分かるから」。この言葉は、ディーターがアメリカの荒野で捨てられていた車を撮影する際に友人にかけられたものである。歩みを進めている中で、周りを常に見ていれば、時として素晴らしいものを見つけることができる。

彼がこの写真集のために撮影している車はすべて朽ちている。蔦が絡まっていたり、コケで覆われていたり、木すら生えてきているものがあったりと、車としては到底機能しないものばかりだ。しかし、ディーターはこのボロボロになった数々の車を撮るために、4万4000マイルを旅して、250日間をかけたという。さらに、この旅を計画するために数カ月を費やしているため、1年にも及んだビッグプロジェクトとなった。



"Lost Wheels"を制作することをひらめいたきっかけは、彼がある休日にフランスでサイクリングをしていた時にあった。偶然、2台の古いプジョーを見つけ、またその場に戻り撮影していたら、今度は1935年 シトロエン ロザリーを発見した。彼は決してクラシックカーのエンスージアストではなかったが、その時に心を奪われたという。そこから、このように道端で車を見つけ、それらを撮影していくことを考えた。ドイツ、アメリカ、スウェーデンなど各地を周っている中で発見された車はポルシェ356、クライスラー インペリアル、DKW 89、シトロエン トラクシオンアヴァンなど。



普通では足を踏み入れないような場所で写された廃車同然の車は、それ自体で一種のアートとしても充分に成り立つような風貌となっている。ギャラリーでその作品をご覧いただきたい。

オクタン日本版編集部

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