長く愛されてきた車を愛でる 文化を育てたい マツダのNA ロードスター レストアサービス

欧州では文化のひとつとして根付いている、「物を大事に受け継いでいく」ということを日本においても盛り上げるため、マツダは"NA ロードスター レストアサービス"を2017年より行っている。それは具体的にどのような取り組みであるのか、ご紹介しよう。

"NA ロードスター レストアサービス"は、「長く愛されてきた車を愛でる文化を育てたい」というマツダの願いのもと、2015年11月より実現へ向けて計画が進められた。それから2年の準備期間を経て2017年12月13日に、マツダ内でひとつの事業として開始されたものである。

 
これまでに6台のNA6が新車同様の姿へと蘇っている。レストアを希望する全国各地のオーナーからたくさんの応募があるものの、すべてを受け入れることができるわけではない。申し込みを断らなければならない場合もあるのだ。このサービスにおいてレストア対象になるものとしては、「NA6、5段 MT車、グレードはスタンダード、スペシャルパッケージ、Vスペシャル、Jリミテッドのいずれか」という条件が設定されている。

また、錆が激しい車両や、改造車、大きな事故を起こした歴のあるものも、このプロジェクトにおいてはレストア対象外となる。それはなぜか? 決して、マツダが一部の車両を"拒否している"というわけではない。現在、マツダが持っている技術やパーツラインで最良のかたちでレストアを施すためには、このような線引きがどうしても必要となるのである。「今、できることを精一杯おこなう」というのも、ひとつのモットーである。


 
レストアを申し込まれたロードスターは、マツダ本社(広島)、マツダR&Dセンター横浜及び最寄りのマツダ販社において、レストアサービス専任スタッフにて寸法やボディの歪みのチェックを受ける。そして、審査に通ったら受付契約を終えて、車両はマツダ本社へ輸送される。そこから、マツダE&Tのレストア工房で、エンジン、足回り、エクステリア、インテリア、各所のシールまでもが復刻され隅々まで美しくなっていく。「何もかもレストアしなければならない」というものではないため、ホイールとタイヤはそのままにしておくこともできる。オーナーが望む姿にするお手伝いをして、「これからも乗っていきたい」と思ってもらえるようにすることにこそ、このプロジェクトの本当の意味があるのだ。


 
レストアは、状態や希望する内容によっても変わるものの、約3カ月で完成される。当初は1台あたり2カ月程度を想定していたが、レストアにおいてトラブルは付きもの。パーツがなかなか見つからないということや、想定外の所に錆が発見されるということが起きる。その分だけ時間がかかってしまう。しかし、レストアの工程は最初から写真付きで記録され、納車時にはそれをまとめた世界に一冊のブックレットが授けられるのだから、オーナーにとっては待った甲斐があったと思えるだろう。
 
また、このサービスにおいて特徴的なのは、残っているパーツを残してレストアするのではなく、パーツがあるものは新品に換えて"アップデート" しながら行うという点だ。そのため、新車のような乗り心地や見た目になる。海外のレストアでは、可能な限りパーツを残していくというスタイルがメインだが、その場合ではコストの問題は避けられない。それをマツダは、持っているものを最大限に活用することで解決している。

オクタン編集部

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