ブランド創業110周年を迎えるアルファロメオの栄光の軌跡

2020年6月24日に創立110周年を迎えたアルファロメオは、いかにして数々のレースで輝かしい戦績を残し、イタリアの情熱のシンボルとなっていったのか。ブランドに連綿と続く革新と誇りに満ちたストーリーを綴り、その歴史を振り返る。

創業110年の慶事であることを承知でいれば、『アルファロメオの足跡は、レース活動など表面的には華々しかったものの、現実は困難な経営状態との果てしない戦いであった⋯』と、表現することができよう。だが、経営難の兆候が現れるやいなや、イタリア国内から救済の手が差し伸べられ、アルファロメオは傍目には何事もなかったように華やかな活動に戻っていった。
 
すなわち、1915年のニコラ・ロメオ(1925〜30年に社長)による株式の取得。1932年末のI.R.I.( イタリア産業復興公社)傘下入りという事実上の国有化。そして1986年のフィアット・グループの傘下入りがその時だ。
 
こうして救済され続けてきた理由は、その存在がイタリアの宝、世界中の自動車界にとって至宝であるからにほかならない。そこまでアルファロメオが重んじられてきたのは、レース活動と、その技術をふんだんに市販車へ投入してきた歩みにあるといえよう。
 
アルファロメオは操業当時から第二次大戦まではレース活動を主たる社業とし、その資金捻出のために高性能かつ高価なロードカーを少数生産し販売してきた。だが、平和が訪れると、自動車需要の増加に対応すべく、量販ロードカー生産に舵を取ることになった。よく知られているように、アルファロメオの戦前における黄金期をレーシングマネジャーとして率いていたのが、エンツォ・フェラーリであり、戦後、フェラーリが自らの名を冠した会社を興した際に踏襲したのが、戦前のアルファロメオの生き方であった。

文:伊東和彦(Mobi-curators Labo. ) 写真:FCA Words:Kazuhiko ITO(Mobi-curators Labo. ) Photography:FCA

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