トヨタが2000GT用補給部品を復刻生産(続報)開発スタッフへインタビュー

GAZOO Racing Company



トヨタ博物館の収蔵車で実走行テスト

「2000GTを造ったメーカーの責任として、開発段階で確認のためのテストをしています。トヨタ博物館の協力で、復刻品を組み込んでの実走行テストを実施することができました。また、収蔵品のなかにトランスミッションのオリジナル品があったので、これを借りてきて分解し、内部の痛みの箇所など、さまざまな実態が確認できたのは、たいへん助かりました」


デフを担当した石川清成さん。デフに対する知識が深いことはもちろんだが、今回の2000GTでの実走テストでは、自らキャブレターのセッティングを手掛けて臨んだという。


「社内でも2000GTについて知っている人たちがいて、車好きを中心にこの計画に集
まってきて、いろいろなアドバイスがあったり、環境的にとても良い状態で仕事ができたと思います」と3人は口を揃える。

また、この復刻計画が、ベテランから若い人たちへの“技術の伝承”の場にもなったともいう。ひとつの例を上げれば紙図面がある。CAD時代に生きる若い人にとって、紙に描いた図面には馴染みがないが、2000GTの紙図面を通じて、ベテランからそれを読み込む技術を習得しながら、仕事を進めたことは大きな収穫になったという。

今後に向けて
最後に、GRブランドマネジメントのスタッフに対して、なぜ2000GTを選んだのかとの問うてみた。

「GR というカンパニーの姿勢は、モータースポーツへの参戦を通じて、いい車を
創るというものです。2000GTはこうした流れで誕生した車であり、また知名度も高いことから適すると思いました」との答えを得た。また、これはインタビュアーの個人的な考えにすぎないが、2000GTが少量生産車であることも、部品の復刻生産に適していたといえそうだ。他に知名度が高いモデルもあるが、いきなりバリエーション展開が多い量販モデルを手掛けたなら、乗り越えるべきハードルが多すぎることは間違いない。

2000GTとスープラでの経験を経て、今後、少しずつ、対象車種が増えることを期待する
とともに、この復刻部品の生産が末永く続くことを強く希望したい。

2時間以上にわたっておこなったインタビューから、ここには収まりきれないほどの多くの情報を得ることができた。さらに周辺取材を加えて、9月末刊行のオクタン日本版31号に掲載する予定である。

インタビュー前には、現在の自動車を取り巻く環境のなかで、今回の部品復刻計画についての取り組みに半信半疑であった私だったが、トヨタの名古屋拠点、24階会議室を出る時には「トヨタは本気だ」と考えを改めたことは、是非とも付記しておきたい。

文:伊東和彦/Mobi-curators Labo. 写真:トヨタ自動車株式会社 GAZOO Racing Company

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