現代へと受け継がれるスピリット│アルピーヌA110が辿ってきたヒストリー


 
2000年代に入ると、アルピーヌブランドの復活待望論が高まりをみせた。2007年にはルノーからアルピーヌの復活が公式にアナウンスされる。2012年には、アルピーヌカー・プロジェクトのもとA110のデビュー50周年を記念して製作されたコンセプトカー「A110 ‐ 50」を発表。A110の復活を予見させるものだった。この頃、ルノーはケーターハムとスポーツカーの開発に向けての業務提携を発表。これはアルピーヌ復活に向けての布石とみられた。

2013年には新会社「オートモビル・アルピーヌ・ケータハム」を設立した。しかし、方向性の違いから翌年には提携を解消、ルノーが全株式を取得し「オートモビル・アルピーヌ」として独自のスポーツカー開発に着手することになる。

 
初代A110の生産終了から40年が経過した2017年、新型A110がジュネーヴモーターショーでワールドプレミアされた。初代を彷彿とさせるスタイリングで、軽量かつコンパクトなスポーツカーという本来のコンセプトを受け継ぐものだ。ただし、初代がRRであったのに対して新型ではミドシップになった。初代A110をはじめA310、A610と続いてきたRRを踏襲するアイデアもなかったわけではないようだが、開発陣はピュアにスポーツカーとしての性能を追い求めた。


新型A 110のフロントフェイスにも、4つのヘッドライトが配されており、オリジナルA 110へのオマージュを感じられるポイントだ。



SPORT ボタン一体型のフラットボトムステアリングは本革で仕上げられている。アルミニウム製パドルシフトを採用。タッチスクリーンは7インチだ。 

ポルシェ911のレーシングモデル、911RSRもついにRRからミドシップになったように運動特性を考慮すれば慣性モーメントの小さなMRが有利なのは間違いない。さらにアルピーヌの開発者たちは、エアロパーツなどの空力付加物なしに250km/hの最高速を実現したかったという。そこで必要になるのはボディの下面をフラットにし、グランドエフェクトを高めることだった。


ドアパネルはダイヤモンドステッチが採用され、上質な雰囲気に。スピーカーがフォーカル製であることも、こだわる人にとっては嬉しい。(PUREでは4個を装備)



4つのヘッドライトに対し、テールライトはX 型に点灯することで「未来」を思わせるデザインに。1台に「伝統」と「未来」が凝縮されている。

特にリア側で効率的に空気を抜くためには大型のディフューザーが欠かせないため、エンジンの搭載位置を前方に移動する必要があった。奇しくも先述の911RSRの開発者もまったく同じ理由でミドシップに変更したと述べていた。かくして新型A110は、初代のスタイリングを踏襲しながら現代のスポーツカーにふさわしい性能を獲得している。

RECOMMENDEDおすすめの記事