ボルボが提案する次世代の「デキる男」の書斎│ボルボ XC90 エクセレンス

かつてエグゼクティブの移動手段といえば、車体をストレッチしたリムジンだった。白手袋の運転手が開ける後席に乗り込む姿は成功の証でもあった。近年になると、より時間を有効活用したい新しい世代のビジネスエリートが、高級ミニバンを所望する傾向が顕著だ。いずれにせよ、移動時間をより快適に効率よく活用したいというニーズは、自動車に求められる大きな役割だともいえる。

2016年に2世代目となる日本仕様が投入されたXC90は、新世代ボルボのデザインを採用しながら3列目シートにも余裕を残す本格的7シーターを実現した、SUVカテゴリーのフラッグシップだ。トップレンジの「T8」は、直4ガソリンの2.0リッター 直噴ターボに電気モーターを組み合わせたPEHVでシステム出力407psを発生。モーターのみでは35.4kmの走行を可能にしている。今回試乗したXC90 T8 ツインエンジン AWD エクセレンスはすでに各メディアでその詳細については既報のとおりだが、このモデルの真骨頂はやはり後席にあった。



本来7席を有するスペースは完全独立した4席に絞られ、そこで誕生した空間的余裕は全て後席のゆとりに転換されている。ただし、その空間はいわゆるリムジン・モデルのように一般的男性が足を真っ直ぐに伸ばせるような広さではない。もちろん狭いわけではないながら誤解なきよう表現すると、前述のリムジンやミニバンが、さながら移動する応接室とすれば、このエクセレンスの後席は自分だけに誂えた書斎のようなものだろうか。しかもその書斎は新聞を広げてリクライニングソファにどっぷりと腰を落とすようなそれではない。むしろアクティブな生活の合間にスイッチを切り替え、思考を整理し、必要であれば仕事に集中するための空間にもなり得る、と表現するのが正しいように思われる。


リラクゼーション機能やベンチレーション機能、電動クッション・エクステンションも完備している。

書斎であるからには必要なものが必要な場所に、機能的に配置されていることが理想だ。そんな視点で見ると、このエクセレンスのために採用されるそれぞれの装備は、「移動する書斎」を上質に演出する装備に溢れている。アームレスト内に収納されるスカンジナビアデザインを象徴するアルミとレザーによるテーブルは、そこが「仕事をする場所」でもあることをアピールする。


テーブルはアームレストに収納できるようになっている。パソコンを置いて作業するには充分の大きさである。


照明で演出されるトンネルコンソールのカップホルダー、そこに収まるオレフォス社製のクリスタルグラスは、一見ステレオタイプなラグジュアリーな演出にも見えるが、自分の書斎でお気に入りのグラスで好きな酒を楽しむことをイメージすれば、むしろ当然の装備だ。750mlのボトル2本が収納可能なクーリングボックスに何を常備するかを考えるだけでこの「書斎」の役割も変わりそうだ。


クリスタルグラスとイルミネーションを内蔵したクリスタル製ガラス・カップホルダーは、いずれもスウェーデンのハイブランドとして知られるオレフォス®社製。


さらに、この書斎がリラクゼーションの場でもあることを証明するのは、後席とリアのラゲッジスペースを仕切るアクリル製パーテーションが追加されている点。おかげでSUVならではの、ラゲッジルームからの雑音の侵入を防ぎ、Bowers&Wilkinsのプレミアムサウンド・オーディオシステムによるふくよかな音響に張りを与えている。


後席とリアのラゲッジスペースを仕切るアクリル製パーテーション。



Bowers&Wilkinsのプレミアムサウンド・オーディオシステムも、プライベート空間を高めるポイントである。


果たして、XC90 T8 ツインエンジン AWD エクセレンスは確かにカタログに書かれているように「21世紀のラグジュアリーカーに求められる真の価値」を備えた一台といえるだろう。または「単なる豪華という言葉だけでは、その価値を言い表すことはできない」一台とも。すでに国内に残る車両はわずかとか。21世紀のビジネスエリートのための「移動する書斎」をぜひ体感していただきたい。


文:前田陽一郎  写真:佐藤亮太

ボルボ XC90 エクセレンス
https://www.volvocars.com/jp/cars/new-models/xc90/trims/excellence

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