北へ、南へ、シトロエン2CVと30年│第6回 シトロエン2CVとVWビートル徹底比較(その4)



色々と言い訳がましく書いてきたが、やはり2CVを扱うには少々慣れが必要であることは認めざるを得ない。でもそれは軽量化と低価格という設計思想に忠実な証、ともいえる。

前回説明したリアドアノブの話にしても、人間工学的にはもっと前にあったほうがいいに決まっている。でもそのためにはノブからドアラッチまでリンクを延ばさなければならない。それはコストや重量に響くことであって、ミニマムを設計思想とした2CVがそれをしなかったことは当時としては正解だった、と気づけば言い訳を重ねる持ち主なのであった。



一方のビートルは走り編でも書いたが、真面目なドイツ人気質を反映して色々と手抜きが無い。その結果として現代の車から乗り換えても戸惑うことが少ないのは立派だ。見た目はクラシックカーではあるが、気軽に乗りまわすことが可能である。
 


2台を改めて比べてみて、やはり多くの人に勧めるのはビートル、と書かざるを得ない。しかし個人的には運転する楽しさは2CVの方が上だ、と負け犬の遠吠えをするわけだが、それは現代のドイツ車とフランス車の評価と似ているところでもあり、なかなか決着のつかない議論であろう。



ビートルも2CVも長年にわたり数多く生産され、そして多くの人に愛されてきただけに、メインテナンスへの不安は極めて少ない。壊れやすいところは知られているし、オリジナルよりも高性能かつ耐久性の良いサードパーティの部品も数多くリリースされている。クラシックカーゆえに、手放した時の値落ちも少ないだろう。

恐れることはない、ビートルでも良い、2CVならなお良い。迷っている人にはぜひ買ってほしいと願う筆者である。

 

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