オリジナルのMX-5ショーカーに試乗!│ロードスターもクラシックカーの仲間入り

Photography:James Lipman


 
重要な場面は、1979年に当時ジャーナリストだったボブ・ホールとマツダR&D部門を率いていた山本健一氏との会合だろう。その際にホールは、レトロなロードスターのアイディアを黒板にラフスケッチを描きながら提案したという。その後、様々な劇的場面がまるで映画の脚本のように続く。その中には、立場の弱いヒーローが社内の保守的体制に立ち向かい、広島のデザインスタジオとの対立や、カリフォルニアのチームと日本人ボスとの文化的衝突をいかに乗り越えたか、さらには秘密のプロトタイプとロード&トラック誌のテストチームのエピソード、そして最後にはシカゴのショー会場で拍手喝采する大観衆といった見せ場が含まれるはずだ。

まったくこの分では、40周年を迎えた時には、社内政治と世の中からの批判という悪役に立ち向かってロマンチックな夢を実現したアメリカのヒーローとしてのホールを演じたトム・ハンクスが、目に涙を浮かべながらオスカー像を受け取る姿を目にしているかもしれない。
そちらの方はバーバンクにある有名なスタジオに任せるとして、このアーヴァインでは、私たちがこれから運転する車を生み出した80年代半ばのカリフォルニアの雰囲気がどのようなものだったかを想像することにしよう。
 
私たちのために準備されていた初期のNA型MX-5は普通の車ではない。今から30年ちょっと前、マツダの新型車を世界に向けて発表するために何か月もかけて入念に準備されたシカゴ・ショーのスタンドには、4台のショーモデルが置かれていた。そのうち3台はスタンダードの米国仕様ミアータ(北米でのモデル名)、そしてブリスターフェンダーや特製エグゾーストを備えたイエローの"クラブレーサー"プロトタイプである。

そのプロトタイプもこのワークショップにあるが、我々が外に連れ出す車は一段高いスタンドに展示してあったものだ。そう、30年前に会場に詰め掛けたジャーナリストやファンの目をくぎ付けにした車そのものである。 

編集翻訳:高平高輝 Transcreation:Koki TAKAHIRA Words:Dan Trent Photography:James Lipman

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