蘇った紺色の狼│3台目の「ウルフ・カウンタック ネイビーブルースペシャル」

オーストリア出身の企業家、ウォルター・ウルフのために作られた特別なカウンタック、通称「ウルフ・カウンタック」。スーパーカーブームの頃に日本でも話題となった同車は、全部で3台が作られたといわれている。最初のウルフ・カウンタックは、赤いボディに黒いオーバーフェンダー、そして巨大なリアウィングを備えた車。

2台目は、青いボディをもち、5リッターのスペシャル・エンジンを搭載していた車。そして3台目は、ウルフ・レーシングのイメージカラーである濃紺のボディに、赤いウルフ・レーシングのロゴが随所にあしらわれた、最終完成版スペチアーレ「ネイビーブルースペシャル」である。


 
3号車の最も注目すべき点は、2号車「スカイブルースペシャル」のエンジンが移植されていたことである。ベンチテストで500ps以上を記録し、最高速度314km/hの性能を誇った特別な5リッター・エンジンは、ウルフ自身の思い入れも強かったのかもしれない。
 
特別なのはエンジンだけではない。フレームは強化され、フロントに装備された8ピストンブレーキは制動の前後配分がコックピットから調整可能だった。ボーグ・ベックのツインプレート・クラッチ、ステアリング・ラックのギア比変更など、ジャン・パオロ・ダラーラによるモディファイは車全体に施されていた。
 
そして、レストアが施されたウルフ・カウンタック3号車は2015年4月18日に都内でお披露目され、日本中のスーパーカーファンを興奮させたのであった。

オクタン編集部

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