クラシックカー向けのピレリタイヤ「Stella Bianca(ステラ・ビアンカ)」がシルバーストンに登場

Pirelli

先週末にシルバーストン・サーキットで開催されたF1 70周年記念グランプリに、70年ぶりにピレリのStella Biancaが登場した。イタリア語で「白い星」を意味する「Stella Bianca」。タイヤの世界におけるStella Biancaは、特にモータースポーツ全盛時代のピレリを象徴する名前である。

1950年の開幕戦で優勝したアルファロメオは、このStella Biancaを装着していた。1927年に市場に登場したStella Biancaは当時の革新的な技術が投入され、台形のパターンが組み合わされたトレッドパターンの高度なテクノロジーは安定した高速走行も可能にした。アルファロメオとの開発テストを経て世に送り出されたこのタイヤは、F1の舞台でもアルファロメオ、フェラーリ、マセラティの足元を固めることになる。



2018年にピレリはこのStella Biancaをピレリ Collezione タイヤファミリーとして復活させた。フェラーリのクラシケ部門などからの要請を受けて、現代のクラシックカー愛好家向けによみがえらせたのである。使用されるコンパウンドは、ウェット状態での安全性や環境への配慮、効率性を保証するピレリの技術を反映。当時と同じ外観に最新のテクノロジーが組み込まれたタイヤは、ラジアルタイヤが主流の今、クロスプライタイヤであることも特筆すべき事柄だ。



現在のクラシックカーオーナーが、当時のオーナーと同じくドライブを楽しむことができるように設計されたこれらのタイヤは、戦後から1990年代の広範囲にわたるクラシックカーに装着可能。最新のStella Biancaは、ピレリの多くのモータースポーツ用タイヤ同様に専用の工場で製造されている。より多くの愛好者へ向けてStella Bianca は今年後半に新しいサイズの発表を予定しているというから、続報を楽しみに待っていよう。

F1の70年の歴史の中で、創立時からその発展に寄与してきたタイヤの存在は大きい。現在のF1マシンがStella Biancaを装着することはないが、その歴史を受け継ぐピレリのF1用スリックタイヤP Zero(ウェット用タイヤは Cinturato)が現在のF1では活躍している。

オクタン日本版編集部

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