なぜ今「最もお洒落な車」なのか?ボルボ XC40リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT5

Photography: Ken TAKAYANAGI

ついに出揃ったボルボのエレクトリックファミリー

2017年に欧州のカー・オブ・ザ・イヤーを、続く2018年には日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得(ボルボとして2年連続、2017年はXC60が受賞)したXC40に待望のプラグインハイブリットモデルが国内発表された。これで兼ねてからボルボが掲げていた「全てのモデルに電動パワートレインを搭載し、将来的には内燃機関からの脱却を目指す」というビジョンが具体性を帯びてきた。

発表に先立つ試乗会に用意されたのは、XC40リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT5。この"リチャージ"という名前は今後、ボルボのPHEVと純EVなど電動化に準ずる全てのモデルのサブネームとなるようで、その先鋒を担うという意味でも、ボルボにとって重要なモデルであることは間違いない。

左前タイヤハウスに配された充電ポート。デザインを損なうことない自然な印象


搭載されるパワートレインはGen3 Drive-E と共有したボルボ初の1.5リッター3気筒ターボと、トランスミッションに直接マウントされたモーター。排気量1476cc(最高出力132kW(180ps) / 5800rpm、最大トルク 265Nm(27.0kgm) / 1,500-3,000rpm)ながら、電気モーター(60kW/4,000-11,500rpm, 160Nm/-3,000rpm)との組み合わせで合計出力は262psとし、走り出しのトルク感はまるで1クラス上のそれだ。アクセルに対するレスポンスも全くリニアで、このあたりはさすがにハイブリッドならでは、といったところだろうが、ギヤセレクターでハイブリッド・モードを選択している際にはどこまでがモーター駆動で、どこからモーターサポートに切り替わったかはほぼ気づかないレベルだと思う。

撮影は横浜近郊。古い街並みにすんなり溶け込むデザイン性の高さはやはり魅力だ。


先を見据えたプラットフォームが実現させたこと

また、特筆すべきは荷室の容量。なんと積載量も従来モデルと同等を確保している。ご存知の通り、ハイブリッドモデルはバッテリーに加え、モーター、冷却装置、発電装置、制御装置など付加部品が加わるため、それらを収納するのに何かしらのスペースを潰さざるを得ない。これはXC60、XC90で採用しているSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)と同コンセプトでXC40にはじめて採用されたCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャ)プラットフォームによる最大の効果だ。

最大40km以上をモーターだけで走行可能とするバッテリーを、ほぼ車体の中心に配置、重量バランスを従来モデルと同じく60:40としながら、室内空間も従来モデル同等を可能にするこのプラットフォームは、まさしく「バッテリーとモーターがあることが前提」とした車両開発の証左とも言えるだろう。

モニターは整然とし、あえてギミックのない簡素なデザイン。エレクトリックの切替え状況もシンプルに表示

またその静粛性の高さに関しても、あらためて再認識させられた。とにかく静かだ。そもそもXC40始め、現行のボルボのラインナップはその静粛性に定評があるが、イグニッションボタンを押しても「エンジンが始動しない」ことであらためて車両全体の静かさに気付かされた。もちろんそれは走行状態でも同様で、前述のようにいつエンジンが始動・停止したかは意識していないと気づかないほどだ。


なぜ現在のボルボはファッション界でウケるのか

ところで話は逸れるが、ファッショントレンドというのはその時々のマーケット心理に大きく左右されている。例えば90年代後半から続いたタイトなシルエットのトレンドは、ここ5年ほどをかけてルーズなものとなり、身体のラインを強調したセクシャルなもの(つまり外へ向かってアピールするもの)から、自身が快適でいられる(つまり内むきな)コンフォートが重要となってきている。

インテリアに大きな変更はない。印象的なシフトノブはノーベル賞の晩餐会の食器で知られるオレフォス社製。

ダーティよりクリーン、タフネスよりもインテリジェンス、ハードよりもソフトといったふうに、ファッションのトレンドは劇的に変化しつつあるが、そのどれもが社会構造の変化、デジタルテクノロジーの急激な進化と密接に関係している。おおよそファッションは「洗練された」「無駄のない」「ハイテクな」と解釈される“スマート”というワーディングに集約されつつある。

ボルボはアクセサリーのセンスの良さに定評がある。革巻きのiPhoneケーブルはこれだけでも購入したい


これは“スマート”ユーティリティ・ビークルだ

XC40はすでに国内外のメディアで取り上げられ、高い評価を得てきたモデルである。その全体的な印象をこうして上げ連ねていくと、それらがスマートという表現に集約されることがよくわかる。クリーンな動力に、デザイン、静粛性や快適性など時代が求めるスマートさに、ボルボは重層的な取組みでアジャストしている。結果、デザインだけにとどまらないスタイリッシュな印象を獲得しつつあるのだろう。差し詰めXC40リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT5はスポーツ・ユーティリティ・ビークルならぬ、“スマート”・ユーティリティ・ビークルとも言える存在だ。

パノラミックサンルーフは標準装備

ちなみにXC40リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT5のワールドプレミアでは男性のシューズを例に、他社の90、60、40のセグメントを黒いドレスシューズで、自社のセグメントを90は黒いドレスシューズ、60を黒いスエードシューズ、40を白いスニーカーで表現していた。適度にデザインされた(一見ウイングチップのような)けれどもシンプルなスニーカーはまさに現代的で若々しい印象作りに成功していた。そのスニーカーがどこのブランドだったかはまだ確認できていないが、そのスニーカーのチョイスもまた「スマート=お洒落」なのだ。


※実はプライスもスマート!
例えばXC40リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT5インスクリプション(車両本体価格649万円)とXC40 B5AWD Rデザイン(車両本体価格589万円)を比較した場合(両者の標準装備はほぼ同等)、CEV補助金、エコカー減税を差し引くと、差額 は15.9万円に!値段設定もスマート!


ボルボ XC40 Recharge Plug-in hybrid T5 Inscription
ボディサイズ:4425×1875 ×1660mm 
ホイールベース:2700mm 
車重:2085kg 
駆動方式:前2輪駆動式  
変速機:7段AT
エンジン型式:水冷直列3気筒DOHC 12バルブ(インタークーラー付ターボチャージャー)[ガソリン]+電気モーター
排気量:1476cc
最高出力:132kW(180ps)/5800
最大トルク:265Nm(27.0kgm)/1500-3000
本体価格(税込):649万円

オクタン日本版編集部

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