レストアが進んでいるもの、埃をかぶっているもの・・ハンガリーのガレージを訪れて

Photography: Tomonari SAKURAI

久しぶりにハンガリーを訪れた。3月以来だ。つまり外出禁止令が発令、そして解除後初めてのハンガリーということになる。ソ連の衛星国としての共産主義に反旗を振りかざす意味でシトロエンをその旗印に掲げてきたパストール家。ブダペスト郊外でシトロエンの代理店を営むタマス氏を訪れた。タマス氏については昨年の8月14日、ハンガロリンクのニュースでお伝えしているのでそちらを見ていただくとして、今回久しぶりに訪れた。

本当は3月にハンガリー訪問中に訪れたかったのだが、その頃は新型コロナウイルスが世界的にも脅威となりつつある頃だった。日本の旅行者が疑われ、そのニュースはハンガリー中に広まった。なので、日本人の僕に会うとタマス氏は感染してしまうことを恐れたようだ。

今回久しぶりに挨拶を交わすと握手をして(フランスでは握手はしなくなっている)そのことを謝ってきたので笑って水に流した。さて、このパンデミックの騒ぎの中で彼のコレクションに変動はあるか?ガレージを拝見させていただいた。何度かお邪魔しているので見慣れた車達がそこにあり、レストアが進んでいるもの、埃の厚みを増したものとあったのだが、今回見せてくれたのはフィアットがメインだ。なぜフィアットか?もうフランス製じゃないの?と思ったがタマス氏の周辺にはフィアットファンが結構いるという。

ハンガロリンク・クラシックでも走行したルノー17ゴルディーニ。

JAGUAR Eタイプも全塗装を終えてエンジンなどが組み上がるのを待っていた。


フィアットは1960年代にイタリアで勢力のあった共産党の関係でソ連をはじめ衛星国などにライセンス生産を許していた。そんなこともあり、フィアット124は親しみのあるモデルとして人気なようだ。フルレストア済みの一台が最初に目にするフィアットとなった。以前も拝見させていただいたフィアット2300アバルトは、相変わらず彼のラリー用のマシンとしてあった。そして新たに彼のおもちゃになっているのはフィアット 124スポルトクーペ、アバルト版だ。

フィアット 124。1967年製。この時代FIAT124はライセンス生産されておりソ連製ではラーダ1200として広く使用されていた。フルレストアされたモデルだ。

アストンマーティンの横に置かれたフィアット スポルト・クーペ・アバルトだ。

隅々までピカピカなのは当然だ。面白いディストリビューターがつけられていた。Bluetoothが組み込まれており、スマホから進角を変えることが出来るというものだ。入れるガソリンのオクタン価に合わせたりするときに使われる。アプリではその出力などもグラフで見られるので、それに合わせてセッティングしていくのもいいという。

点火タイミングをスマホで調整できるギミックをモツディストリビューターを装備!

同じイタリア車ではアルファロメオ・モントリオールがグリーンとレッドの2台が並んで整備中。今回ここを訪れるのにもうひとつ楽しみにしているものがあった。それについてはこの次に…

写真&文:櫻井朋成

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