北へ、南へ、シトロエン2CVと30年│第8回 まあまあの故障



幸いにも5分ほどで目的地に着き、彼を下ろして、ようやくシート下を覗き込んだところ、こういうことになっていた。


もう少し拡大してみよう。



そう、シート下に置いていた除湿剤がお尻を支えていてくれたのだ!これを奇跡といわずして何というのだろう。サビやカビを防止するために気休めと思いながらも除湿剤をシートの下に置いていた。これが2CVでなかったら除湿剤なんて置かない。2CVで良かった!と一瞬思ったが、よく考えてみたら2CV以外の車でシートの座面が抜けることもそうはなかろう。微妙なところだ。

危機は救ってくれたものの、除湿剤の剛性感は非常に心許ない。特にクラッチペダルの操作時は全体重を掛けるのが躊躇われる。シフトチェンジのたび、軽いスクワット状態に耐えながら、何とか家に辿り着いた。


前述のようにパーツはあるので早速交換作業を実施した。まずはリアシートの取り外し。2箇所のレバーで外すだけなので簡単だ。


フロントシートはスライドさせるのが大変だが、何とか外れた。


レールの下から愚息が無くしたと喚いていた飛行機の模型が発見された。これをもっけの幸いといわずして何というのだろう。


こちらが交換用の新しい「布」。今回はモンテカルロさん(http://montecarlo.cart.fc2.com/)から取り寄せた。見るからに丈夫そうだ。前後用の見分けがつかなくて友人たちに聞いて回ったのは秘密だ。


まだまだ持ちそうな助手席側に合わせて、新しい「布」に穴あけ用の位置を記しておく。我ながら何と手際が良いのだろう。



ゴムリングはまだ大丈夫そうなので、意味があるのか分からないが何となく付いていた順番に並べておこう。長い方のゴムは最近見かけないので大事にしなければいけないらしい。



新しい「布」は丈夫だったので穴あけ工具を使って打ち抜く。それにしても猫という奴は邪魔をする天才だ。





穴あけ工具と友人たちのアドバイスのおかげでそんなに時間も手間もかからず復旧できた。古い車を維持するために持つべきものはやはり友と工具である。

 

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