滑らかさに磨きを掛けたグランツーリスモ│大幅に刷新された新型ベントレーベンテイガを試す

Photography : Kunihisa KOBAYASHI.

ラグジュアリーブランドのSUVの先駆けとなったベントレー・ベンテイガ。デビューから5年弱で2万台以上を販売し、今ではベントレーの屋台骨を支えるモデルへと成長した。そんなベンテイガが2020年6月に内外装を一新し、まずはV8モデルがリリースされた。今回は炎天下の8月にクローズドコースで行われた新型ベンテイガの試乗レポートをお届けしよう。


ベンテイガが連れてきた新しいベントレーオーナー

2015年11月にデビューしたベンテイガは全世界で2万台以上のセールスを記録し、ベントレーに大きな成功をもたらした。なにしろベンテイガは2019年のベントレーの販売台数の45%を占めている。コンチネンタルGTやフライングスパーのモデル変更期だったといえ、なかなか驚きの数字ではないか。日本でも2016年以降、年間200台ペースで約700台がデリバリーされている。

ベンテイガがもたらしたのは単純な売り上げの増加だけでない。購入者の7割が新規のベントレーオーナーであることも注目すべきポイントだ。平均年齢は45歳、4人に1人が女性、82%のオーナーが毎日運転、そして35〜56%のオーナーが子供1人を後席に乗せ週に1回以上運転、などのデータを見ると、ベンテイガのオーナー像がこれまでのベントレーとはずいぶん異なっていることをお分かりいただけるだろう。


フルモデルチェンジかと思った理由

そんなベンテイガが2020年6月30日に大幅な改良を受けた。そして炎天下の8月、茨城のテストコースで早々に対面した新型ベンテイガは左ハンドルでナンバーもついていなかった。このようなご時世でなければ開催されるはずだったグローバル試乗会用の車両だからだ。



新世代のコンチネンタルGT、フライングスパーと同じデザイン言語が導入された新型ベンテイガは、大型化されたグリルや楕円形となったヘッドライトをはじめ、前後のボディパネルが全面的に変更されるなど、内外装に大きな改良を受けている。特に楕円形のテールライトと車幅いっぱいまで広げられたテールゲートを採用した後ろ姿の変化度合いは殊更に大きい。このあたり前述のように新しくベントレーオーナーとなった層の要望が強く反映されていることは想像に難しくない。

会場には2019年モデルのマリナー仕様も並べられていたが、一瞬フルモデルチェンジだったかと錯覚するほど、新型ベンテイガはスポーティに見えた。それは新型が爽やかなライトグリーンのカラーで、2019年モデルがシックなダークパープル系のボディカラーだったことだけが理由ではない。前後のトレッドが20mm拡大され、ボディとタイヤの「面」が揃ったこともあるが、何よりエクステリアのクロームパーツをブラックペイントした「ブラックラインスペシフィケーション」と呼ぶ新しいオプションパッケージだったことが精悍さに貢献している。



ベンテイガはボディカラーによってずいぶん印象が変わる。標準7色、オプション56色という豊富なカラーバリエーションの中でも、カタログに掲載されているグレー系にクロームの組み合わせなどはハッとするほどエレガントであり、スポーティに振る舞いたいのであれば今回の試乗車のように「ブラックラインスペシフィケーション」をチョイスすると非常に効果的だろう。


文:馬弓良輔 Words:Yoshisuke MAYUMI 写真:小林邦寿 Photo : Kunihisa KOBAYASHI.

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