美しく力強いクラシックカーが一堂に│第30回グラン・プレミオ・ヌヴォラーリ

伝説のドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリの故郷で世界遺産にも登録されているイタリア、ロンバルディア州マントヴァをスタート&ゴール地点とする、クラシックカーによるレギュラリティーレース第30回グラン・プレミオ・ヌヴォラーリが9月18日から9月20日にかけて開催された。

新型コロナウイルスによるロックダウン中、イタリアでは散歩すら自由にできなかったことを思うと、当初の予定どおりにグラン・プレミオ・ヌヴォラーリが開催されたのは奇跡ようにも感じる。しかしこれは奇跡ではなく主催者、関係者、スポンサーらの尽力、それに参加者、観客たちそれぞれの成功させたいという気持ちと、ちょうどこの時期だったという幸運も見方してくれ開催できたに違いない。多くのイベントやレースが中止や延期になった中、予定どおり開催されたこのレースを観戦することができ、久しぶりに多くの美しく力強いクラシックカー(のエンジン音とにおいも)を堪能することができた。





例年であれば300チーム以上の参加があるが、コロナ禍で、今年は150チーム。約半数がイタリアからで、イタリア以外もほとんどがヨーロッパの国々からの参加であった。レーススタート時の競技委員長挨拶では、日本やアメリカから参加を熱望する声もあったが、結局参加してもらえず大変残念だ、と参加できなかった国についても触れられた。

今回のグラン・プレミオ・ヌヴォラーリは、5つの州12県が舞台となり、マントヴァ→リミニ→シエナ→リミニ→マントヴァの1095kmのルートで争われた。1976年までに製造された車両が使用され、そのうち50台は戦前の車両であった。アルファロメオ、フィアット、ランチア、マセラティ、フェラーリ、OM、トライアンフ、アストンマーティン、ジャガー、ベントレー、メルセデス、BMW、ポルシェなど、28のメーカーの博物館にあっても不思議ではない、そのメカニックとデザインで楽しませてくれる車両たちが集結していた。





スタートとゴールであり、この素晴らしい車たちを迎え入れるにふさわしい舞台でもあるマントヴァのソルデッロ広場は、例年であれば参加車両のすぐそばまで近寄ることができた。しかし、今年はコロナウイルス対策として参加車両が待機する場所の周りは柵で囲まれ、関係者は予め登録、当日検温、マスク着用するなど様々なルールに沿って管理され、一般の観客は中には入れないことになっていた。予想外にきちんとしているイタリアの一面を見た気がする。

去年の肌寒いスタートとは違い、好天の中でレースがスタート。競技番号1は、マントヴァ出身の伝説のドライバーでこのレースの名前にもなっているタツィオ・ヌヴォラーリのための番号で欠番。実際の競技車両は2番から始まる。製造年の古い順にスタートする。平日にもかかわらず多くの観客が柵の外からではあるがレースのスタートを嬉しそうに観戦していた。



三日間に及ぶレースのしめくくりは、マントヴァのソルデッロ広場での表彰式。それに先立ち一チームごとに舞台に車で上がりインタビューを受けるが、ほぼ全員が主催者の完璧なオーガナイズやレースコースの充実ぶりを称賛していた。それに多くの人がおいしいものが食べられたとコメントしていた。車のレース中でも美食の国イタリアを堪能できた証拠である。



今年の優勝は、この大会において過去10年で既に7回優勝しており、8回目の優勝となったイタリア、ブレッシャから参加のアンドレア・ヴェスコ氏とその父(この大会は初参加)。1929年製のアルファロメオ6C 1750SSザガートでの優勝。10月開催のミッレ ミリアにも参加を予定しているようだ。

最終日、ソルデッロ広場にはグラン・プレミオ・ヌヴォラーリ参加以外の車両も集合していた。"Best of Italy Festival"というイベントの参加者らで、レアなスーパーカーもあり、嬉しいサプライズとなった。グラン・プレミオ・ヌヴォラーリは、エポカ・チャンピオンシップというコッパ・ドーロ・デッレ・ドロミーティ(7/23~26)、タルガ・フローリオ(10/15~18)、コッパ・デッレ・アルピ(2021年1/21~24)とともに四戦で競うレースの第二戦目となっている。今後開催予定の残り二戦も無事に開催されることを願いたい。



今年からG.P.ヌヴォラーリ・グリーンと称し、環境問題への配慮として、レース中に参加車両が排出するCO2の量をカバーできる本数の木をマントヴァのあちこちに植樹することになっている。環境問題に関心の高い若い世代にも訴え、今後もこのようなレースを続けていくためには、この様な環境への配慮もますます重要なポイントとなっていくであろう。

コロナウィルスの影響により、変わった部分も多くあったが、参加者や観戦者の笑顔という変わらないものもたくさんあるイベントであった。来年の今頃には今よりも移動しやすい生活が戻り、日本からこのレースに参加できる状況になっていて欲しいと思う。]

グラン・プレミオ・ヌヴォラーリ公式サイト(英語)
https://www.gpnuvolari.it/en-ww/default.aspx


文:古川浩美(Ruote Leggendarie )

文:古川浩美( Ruote Leggendarie / https://ruoteleggendarie.com/?lang=ja)

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