84年ぶりの出来事│イギリス王立空軍RAFの基地の跡地で二つの大きな新展開

Octane UK

イギリス王立空軍RAF(Royal Air Force)の基地の跡地で発展を続けるビスター・ヘリテージが、二つの大きな新展開を発表した。
 
ひとつ目は「コマンドワークス」だ。基地の歴史的なテクニカルサイトを拡張し、真新しい8棟の建物からなる約2000坪の事業用地が完成した。ここはかつてビスター爆撃機基地の作業(ワークス)施設、鉄道のレール、貯炭場などがあった場所だ。スキミングディッシュ通りに面し、基地司令官(コマンダー)オフィスと作戦室が入る基地本部の裏手にあたる。
 
特筆すべきなのが、これまではすべて既存の建物を修復・改修して利用してきたビスター・ヘリテージの中で、コマンドワークスは完全な新築であることだ。敷地内に新しい建物ができるのは、実に84年ぶりのこと。新築とはいえ、グレードⅡに指定されている周囲の歴史的建造物と調和するデザインだ。


 
コマンドワークスの入居者はまだ発表されていないが、これまでの方針どおり、自動車産業のスペシャリストに絞って受け入れると明言されている。ビスター・モーション社の土地開発マネージャーであるジョンティー・アシュワースはこう述べる。

「継続性を感じさせるデザインを目指しています。過去の模倣ではありません。関連性を感じさせたりデザインの特徴を取り入れたりして、新しい建物を周囲に溶け込みやすくしています。デザインの元となるのは現存するテクニカルサイトや19棟の指定建造物で、それらは現在、建造物保全の全国的な模範としてヒストリック・イングランドに認められています」
 
もうひとつのニュースとして、ビスター・エアロドローム・カンパニーが新たに設立され、7月1日から飛行場の運営にあたっている。声明によると、現行の飛行関連業務を引き継ぐだけでなく、「旧RAFビスター基地の再生計画の一環として、飛行の安全を守り」、施設の改修もおこなうという。


 
これまで飛行場を運営してきたビスター・グライディングクラブは、1916年にRFCビスターとなって以来、100年以上の歴史があり、今後は近隣の他のクラブと合併する予定だ。ビスター・モーション社の最高責任者であるダン・ゲーガンは次のように述べている。

「飛行場の豊かな歴史をさらに積み重ね、採算性を確保する機会となることを期待しています。私たちのプランは、モビリティーにまつわる革新、文化、テクノロジーをテーマとする観光の目的地を作り出すことであり、これも柱のひとつとなるでしょう」

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) Translation:Megumi KINOSHITA

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