フェアレディZプロトタイプを前に、スポーツカーを熱く語る

Photography: Sho TAMURA




譲れない条件

「とにかくカッコ良くて、速くて、いい音がすること。この条件は絶対に譲れない」

田村のこの言葉を信じるなら、新しいフェアレディZはまずエンジンサウンドで私たちの胸を熱く昂ぶらせてくれるだろう。いま公表されているのはV6ツインターボであるということだけ。このプロトタイプのエンジンルームの中身はまだ明かされていないが、パワーユニットの話になると、田村は童心に帰る。



「ダンスパートナーとしてはどうシンクロするかが重要だから、今まではノンターボが偉いと思われていたけど……etc」と。

組織のチーフとしての顔から少年のような目に戻った田村の話はまったく止まらない。

自動車メディアとしては、すべてのリアルが気になってくる。

エンジン形式は?ターボのレスポンスは?実際の走行性能は?価格は?

もちろん田村CPSは具体的なことは何もおしえてくれなかったけれど、でも「この続きはもう少し時間が経ってから」ということで期待をもってまってくれと話を締めくくった。

「このフェアレディZのプロトタイプに対する反応は、日本でも相当なものだけれど北米での人気はすでにモノ凄いことになっている」(田村)

初代S30型フェアレディが昭和生まれの日本人少年2人の胸を撃ち抜いたように、この新しいフェアレディZは、令和の時代に大人を刺激するだけでなく、少年たちに憧憬の念を抱かせるだろうか。アメリカの若者を魅了したフェアレディZは、また大きなスポーツカーのうねりで世界を席巻するのか。

いずれにしてもプロトタイプを経て、新しいフェアレディZはそう遠くない将来に登場する。

田村と西川のスポーツカー論は、続く。

文:籠島康弘 words:Yasuhiro KAGOSHIMA 写真:田村 翔 

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