モータースポーツファン必見!フランスで開催中の特別展「ル・マンのポルシェ917」

Photography:Tomonari SAKURAI

この週末はMotoGPを観るためブガティ・サーキットに出かけた。ご存知だと思うが、ブガティ・サーキットはル・マンにあるサーキットの名称。ル・マン24時間レースが行われるサルテ・サーキットの公道部分をなくしたサーキット部分の名称だ。

元々は公道レースとして生まれたル・マン24時間レースは、ピットや観客席の管理もあり一部を閉鎖しサーキットとした。出来たのはル・マンの歴史からすると意外と新しく1966年。翌1967年にはF1グランプリが開催されたが、それ以降はポールリカールやマニクールに移っている。ブガティ・サーキットとしてはバイクの24時間レースとして使用される。そしてこのMotoGPだ。MotoGPは完全にプライベート。普通にチケットを買ってその席から1日レースを楽しんだ。



ただし、普通と違うのはこのコロナ禍で開催だ。ロックダウンの中で他のレース同様一時開催を中止。7月19日にスペインで再開したが観客はなし。イタリアでごく一部の席を開放したのがあったが、ここル・マンでも同様に限定的なシートのみ。一席ずつあけられ、基本的に席から移動できない。スタートやゴール直前など金網際に集まるなどが出来ない。レース中も監視が入り、マスクをしていない人、鼻まで覆ってない人は注意を受ける。入場もメインゲートではなく各スタンド裏の通用口を開けてとにかく人が群がらないように配慮。普段ならその週末金曜から入場してピットウォークなどがあるが、一般の開場は日曜のレース本番のみ。

触れる人がいないようにパンフレットなど渡されるものもなく入場券は事前にプリントアウトしたEチケットのみ。売店もなくホットドッグスタンドが1つあるのみ。それでもこの日、ル・マンに繋がる高速道路では二輪車は無料サービスというル・マン市の粋な計らいがあった。レースが始まると歓声が上がるがサーキットの大きさに比べその人数が少ないので盛り上がりに欠ける。それでも、レース終了後にフランス人ライダーのヨハン・ザルコが観客に向けてメッセージを送った。

「今まで観客のいないところでのレースを行ってきた。レースをするのにそれほど観客は関係ないと思った。でも、今日皆さんの応援を受けて走れたときそのモチベーションは今までと全然違った。観客あってのレースだと分かったのです」そう語ると小さくも力強い歓声が沸き上がった。そんな感じでコロナ禍という特殊な環境の中でのフランスGPは幕を閉じた。2戦目に骨折したトップライダー、マルケスがいないなか、めまぐるしく優勝者の変わるMotoGP。レース中も天候が変わってメインのMotoGPクラスの時に雨が降り出し、ゴールと共に青空に。そこでこれまたドラマを生んだのだった。やっぱりレースは実際に見るのが良い。仕事をしないで(といいながら結局カメラを持っていくのは職業病?)席に座って一日観戦するのはとても楽しい一日だった。寒かったけれど。

さて、本題はこちら。前置きはコロナ禍のレース観戦だったが、このサーキットに併設されているル・マン24時間レース博物館が本題だ。思えば20世紀の終わりには毎年ここを訪れ、ル・マン24時間レースを観戦していた。その頃に立ち寄っただけなので20年以上ぶりに立ち寄った。その理由は、久しぶりというのもあったけれど、特別展「ル・マンのポルシェ917」が行われているのでそれもあわせてご覧いただければと思ったのだ。

映画「栄光のル・マン」をバックに1971年のル・マン優勝車の22番と1970年デイトナ24時間優勝車の2番が並ぶ。どちらもポルシェミュージアムより。

1970年と71年にタイトルを獲得するとアメリカに目を向けられた。アメリカン・カンナムに向け搭乗したのは12気筒エンジンのターボ化だった。

この博物館は、サルテ、ブガティ・サーキットを管理しル・マン24時間レースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)のコレクションをメインに展示している。元々はル・マン24時間レースのための運営事務所やレースの時にパーツなどのサプライヤーが並ぶビレッジになっていたところが元となっている。1960年代に入って、19世紀後半にル・マン市で車を製造したボレの車両をコレクションしはじめたことに端を発し、1961年に博物館を開いた。ということは、ブガティ・サーキットより先なのだ。ブガティ・サーキットのメインゲートに隣接している。

シャシーナンバー001。最初のポルシェ917だ。できあがってすぐにジュネーヴショーで発表された。この車両は一切レースに参加したことがない。2019年にポルシェミュージアムでレストアされ現在はミュージアムに展示されている。

ここでは・ルマン24時間に関わった車を中心におよそ150台のコレクションを展示。それとル・マン24時間レースに関わった車の1/43サイズのミニチュアが4236台というのも見物である。

ル・マンのフランス車達。

4236台の1/43サイズミニカーコレクション。


現在この博物館で「ル・マンのポルシェ917展」が開催されている。これはポルシェが917で悲願の優勝した1970年から50周年を祝って開催されている。1971年の917LHから16気筒のスパイダー、ロードカー917コンテロッシまでを2021年1月10まで展示している。このイベントと、常設展の模様を写真でご覧いただきたい。

写真&文:櫻井朋成 Photography&words: Tomonari SAKURAI

RECOMMENDEDおすすめの記事