ポルシェの社用車だった!世界に一台だけ存在するターコイズカラーが美しい911

Porsche AG



1980年、ブロドベックは月額1000マルクまで利用できる社割を利用して911ターボ 3.3をリースで購入した。この時は非常に珍しかったパールホワイトメタリックというカラーをチョイスしている。そして、1984年に社用車が選べる立場になったとき、当時ポルシェのチーフデザイナーを務めていたアナトール・ラピーヌと何か特別なことをしたいと思いついた。

こうして誕生した彼らのアイデアは、ダークブルーメタリックの911カレラにターコイズブルーを加えるというものだった。彼は懇意にしていたビーティッヒ・ハイムのペイントショップに依頼した。そのペイントショップは、ユニークな塗装のリクエストにも応えてくれることで有名だったためだ。

「プライマーを塗ったあと、911を生産ラインから外して、パネルバンで塗装工場に運びました」と、ブロドベックは懐かしそうに話す。



「まずはベースとなるダークブルーを塗って、次にハイライトのターコイズを仕上げました。塗装工場にはポルシェのデザイン部門でカラーや素材を専門としていた、エンジニアのレインホールド・シュライバーが来てくれて、ペインターにフリーハンドでどのように塗装すればいいのか、正確な指示を出してくれました」

すべてのペイントが終了し、クリアコートが吹き付けられたあと、2日間塗装工場に置かれ、インテリアのカスタムを行うためファクトリーに戻された。

ベルベット製カーペットはウンターリーシンゲンのマポテックス、インテリアとフロントラゲッジルームのレザートリムはヴュルツブルクのSCシェーファーが担当。サンバイザー、スイッチやボタン類もすべて、微妙な色調整が行われ、ターコイズブルーに統一された。

「このターコイズカラーはどこに行っても目立つので、様々なところへ出かけていったものです。最初のドライブはフュッセンへの旅でした。国境の検問所に並んでいると、反対車線からやってくる人たちに"グッドラック!"と声をかけられたりしました」

オクタン日本版編集部

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