ポルシェの社用車だった!世界に一台だけ存在するターコイズカラーが美しい911

Porsche AG



彼はイタリアのスキーリゾート「パッソ・デッロ・ステルヴィオ」に頻繁に訪れていたが、「Bella macchina!(なんて素敵な車なんだ!)」とよく声をかけられたそうだ。「丘を降りる途中でブレーキがオーバーヒートしなかった唯一の車でしたよ」

ブロドベックは歴代5名の社長のアシスタントを務め、ポルシェ・エクスクルーシブ責任者に就任した。そして、彼の相棒ともいえる社用車はスウェーデンへと渡り、1986年7月にスウェーデンで登録されている。走行距離はその時点で4万kmを刻んでいた。31年間、北欧にとどまり、ふたりのオーナーがそれぞれ6万kmずつ走らせている。

そして、2017年にポルシェコレクターであるロニー・パンホルストがこの車を発見した。彼は同じくポルシェコレクターである友人のフランク・トロッシュに相談を投げかけた。実はトロッシュは17歳の時に、車に出会っていたのだ。



トロッシュはこう話す。「私の父は工業用プラスチックをポルシェに納品する仕事をしていました。ティルマン・ブロドベック氏と友人だったのです。彼はよく、ニュルンベルクの私たちを訪れるために、あのターコイズポルシェをドライブしてきていたんですよ」。そして彼は、「この車を買うべきだ。夢のようなストーリーをもった、世界に一台の車だから」と声をかけた。

入庫前にフライベルクのポルシェ・クラシックにおいて、フルレストアが行われた。すべてのフルードとフィルターの交換、車高やバランスの調整、ブレーキホースやその他のゴム製パーツの交換、電気系統のチェック、脆くなったシール類の交換など、必須の修復が施された。

ポルシェ・エクスクルーシブのトップとして、ポルシェ・オブ・ジル・サンダーやスイスの著名な家具デザイナーのカルロ・ランパッツィのために鮮やかなオレンジ色の911ターボ・カブリオレを手がけたブロドベックは、「今見ても、このターコイズカラーは素晴らしいです」と言いながらしばらくの間ターコイズのシートに腰をかけていた。

オクタン日本版編集部

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