「101年目のシトロエン試乗記 その5」 C5エアクロスSUV、ガソリンモデルは掘り出しモノだ

写真:萩原 文博  Fumihiro HAGIHARA


 
アクセルワークに反応する素晴らしい加減速フィール


しかし、乗ってみるとこのガソリンモデルのC5エアクロスSUVは驚くほど良かった。
その良さの理由は、パワーとトルクが必要十分であること、アクセルへの反応がシャープなこと、アイシンの8ATが実に賢いことの3点だ。

この3点セットのおかげで街中での加減速フィールがガソリンモデルはとても良い。アクセルを踏んだ分だけリニアに加速することに加えて、踏み込んだ際のギアの選択の仕方も見事だ。キックダウンして欲しくない時にはキックダウンせず、キックダウンして欲しい時にキックダウンする。



そして踏み込んだ時には結構高回転まで引っ張るので運転が楽しい。引っ張り具合の塩梅も実によろしい。アクセルへの反応がシャープな上に加速時のトルクのツキも良いから、1.5tのボディを軽快に走らせることができる。直噴のダウンサイジングターボなので音質自体はそれほど良くはないものの、伸びのある加速感はガソリンエンジンの良さを認識させてくれた。



C5エアクロスSUVのディーゼルモデルには以前2度ほど乗っているが、ガソリンモデルに比べるとやや大味だ。踏み込めばトルクにものを言わせてゴーっと加速するが、繊細なアクセルワークへの反応はガソリンモデルよりも鈍い。絶対的なレスポンスは決して悪くはないけれど、街中での加減速をアクセルワークに頼りたい筆者の好みは断然ガソリンモデルだ。


もちろん軽くアクセルを踏んだだけで有り余るトルクを実感できるディーゼルモデルが好きな人も多いだろう。高速道路を長距離走るのであれば、疲労感はディーゼルモデルの方がきっと少ない。一方で静粛性や乗り味の良さではガソリンモデルが優位だ。一長一短、まさに好みの問題なのである。

 

文:馬弓 良輔  Yoshisuke MAYUMI 写真:萩原 文博  Fumihiro HAGIHARA

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