「101年目のシトロエン試乗記 その5」 C5エアクロスSUV、ガソリンモデルは掘り出しモノだ

写真:萩原 文博  Fumihiro HAGIHARA

動力性能も燃費も劣るガソリンモデルをなぜ導入したのか

前回レポートしたディーゼルモデルに続いて、2020年4月に追加されたC5エアクロスSUVの1.6Lガソリンターボエンジンモデルを試す機会に恵まれた。*前回のC5エアクロスSUVディーゼルモデルの試乗記はこちらから

ここだけの話だが、故障続きの17年落ちレンジローバーの後継車選びに悩む筆者にとって、C5エアクロスSUVはマツダCX-8と並んで有力候補である。家族4人とたくさんの荷物を積むことができる広めの室内空間、趣味の旅行やスノーボードに行く際の長距離ドライブに向いたしなやかな足回りと余裕のある動力性能、そして何より適切な予算(?)という条件で見渡してみると、その選択肢は意外と少ない。輸入車は「適切な予算」に引っかかるものが多く、国産車はしなやかな足回りに難があるものが多いからだ。

ゆえに今回はいつもより少しだけ個人的な趣味趣向が投影されたレポートになっていることをお許しいただきたい。



今回追加されたガソリンモデルはお馴染みのPureTechと呼ぶ1.6Lガソリンターボエンジンを搭載している。その出力は180ps/5500rpm、250Nm/1650rpm。従来からの2.0Lディーゼルターボが177ps /3750rpm、400Nm/2000rpmだから、高回転まで回るガソリンエンジンはパワーでわずかに上回るものの、トルクでは大差をつけられている。



車両重量は1520kgとディーゼルに比べて120kg軽量である。とはいえ圧倒的な最大トルクの差の前ではそれも少々霞み気味だ。オプションのナッパレザー仕様こそ用意されないものの、外観や内装、装備に違いはなく、価格も415万円とディーゼルよりも23万円安いが、その差は意外と小さい。

 
そんなスペックの印象もあって乗る前はあまり期待をしていなかった。ディーゼルで十分なのに、動力性能も燃費も劣る(そしてそんなに安くない)ガソリンモデルを用意するとは、最近のインポーターはずいぶんサービス精神が旺盛だな、程度に思っていた。

文:馬弓 良輔  Yoshisuke MAYUMI 写真:萩原 文博  Fumihiro HAGIHARA

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