約30年間行方不明になっていた伝説のポルシェ│発見されてからの様々な物語

Porsche AG

ハイゴ-ポルシェは、約30年間行方不明になっていたが、イギリスで発見された。ラリー用ポルシェとして知られるこの一台は、約40年前にディーター・ロッシュアイゼンによって製作された。その後、ヴァルター・ロールらによってセットアップされたレプリカモデルが3台製作されている。

1976年、ロッシュアイゼンはテスト部門のメカニックとしてポルシェに入社。それから4年後にはクラウス・ヘッセとコンビを組んで、国内ラリーや国際ラリーへの参戦をスタートした。「このシーズンで、わたしたちは資金を使い果たしてしまいました。そこでレーゲンスブルクで行われた国際ラリー参戦の祝勝会で、ハイゴ-ポルシェを売ることにしたのです」当時、まだ20代半ばだったロッシュアイゼンは、ドイツを代表するラリー・ドライバーのヴァルター・ロールから、イギリス人のバイヤーを紹介された。

それから30年が経った2009年11月、ロッシュアイゼンに1本の電話がかかってきた。電話の主はイギリスのストーク=オン=トレントに住むスティーブン・デイビス。シェフィールドで1台の車を購入したという。「ボロボロの布で覆われた車を、裏通りにある自動車修理工場で発見したんです」。

デイビスが購入したポルシェ 911 SCは、ロスマンズのカラーリングが施されていた。「ガレージに放置されていたため、工場の汚れがこびりついていましたよ」と彼は笑いながら話す。



この車でデイビスは、様々なイベントやラリーに参加した。ある日、ワークショップでロスマンズ・カラーの下にある別のカラーリングについて尋ねられた。もちろん彼は真相を知らなかったのだが、資料を探し、かつてこの911 SCには今とは違ったカラーリングが施されていて、ヴァルター・ロールのドライブでラリーに参戦していたことを発見したのだ。

ロッシュアイゼンは「最初、この車がまだ存在しているなんて信じられませんでした」と話す。「我々のマシンは、特にロールケージのウインドウフレームへの溶接方法が独特でした。1979年、私たちはこのハイゴ-ポルシェをジャンプによるねじれにも耐えられるよう、ラリー専用に作り上げたのです」。当時のポルシェのデザインスタジオで働いていたジンジャー・オステルによるアイデアでカラーリングは施された。

オクタン日本版編集部

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