15億円で落札!強烈なインパクトをもたらしたアルファロメオのオークション結果

RM Sotheby's

先日、壮大な3台のアルファロメオB.A.T.シリーズがセットでオークションに出品されることはここにお伝えした。そして、2020年10月28日、ニューヨークで開催されたRMサザビーズのコンテンポラリーアートイブニングセールで1484万ドル(約15億5285万円)で落札された。

推定落札価格は1400万ドルから2000万ドルであったため、大きく予想を超えることはなかったが十分話題を呼ぶ結果となった。

フランコ・スカリオーネが手掛けた素晴らしいデザインは今日でも宇宙を想起させる。そのため、1953年に最初のB.A.T.5が発表されたとき、この世のものではないような強烈な印象を残したのである。





3作すべてがアルファロメオのフィロソフィーを受け継いでおり、1953年5月のトリノ・ショーでデビューしたものはB.A.T.5。1954年には青いボディのB.A.T.7を発表し、スカリオーネは彼のアイデアをさらに発展させていった。B.A.T.5のCd値は約0.23といわれているが、B.A.T.7は0.19であり、重量は1000kgを切っていた。リアフィンも非常に特徴的で、航空学を学んでいたフランコ・スカリオーネの技術を強く感じる。





車にはアルファロメオの4気筒エンジンが搭載されており、単なるモックアップだけのコンセプトカーではなかった。発表の際にはヌッチオ・ベルトーネとフランコ・スカリオーネが自ら運転しなければならなかったためでもある。

1955年に発表されたB.A.T.9dには、現代の生産モデルに受け継がれる要素が感じられる。最終的にB.A.T.のデザインは、アルファロメオの生産モデルと共通し、より実用的である必要があるとされたのだ。ジュリエッタグリル、従来型のヘッドランプ、露出した後輪といった箇所から生産モデルを意識したデザインを見て取ることができる。これまで大きかったリアフィンも、後方の視認性を向上させるために縮小されている。





これら3台をまとめて購入した人物についての情報は公開されていない。個人のガレージに飾られるのか、ミュージアムで展示されるのか、今後の展開もひとつ楽しみである。


オクタン日本版編集部

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