翼が付いたフェラーリ?いかに空気抵抗を少なくできるか!ピニンファリーナによるStudio CR25

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スポーツカーを作るときは、パワフルなエンジンだけでなく、最適なサスペンションと正確なステアリングホイールメカニズムも考慮する必要がある。また、空気抵抗係数も重要な要素であろう。世界中の自動車メーカーは、いかに速く、操りやすいスポーツカーを作るか試行錯誤を繰り返していた。

1974年、イタリアンカロッツェリアのピニンファリーナはフェラーリと協力して、Studio CR25というユニークなコンセプトをトリノ・モーターショーで発表した。ディーノ206GTやランチア・ガンマ、プジョー504のデザインも手掛けたAldo Brovaroneが率いるチームは、最も空力的な4人乗りのスポーツカーを作成するという目標を持ち、CR25を作り上げたのだ。



しかし、プロトタイプのスタイリングはフェラーリのようにまったく見えなかった。当初の計画によれば、CR25をさまざまなインターナショナルショーで展示しなければならなかったため、フェラーリに見えないことは大きな問題だったのだ。

それからフェラーリの数人のデザイナーがプロジェクトに参加し、フロント全体のデザインを変更し、翼のように広がるパネル、傾斜したルーフラインと控えめなスポイラーを追加した。そして意を決して、最初のCR25プロトタイプが風洞実験に通されたとき、彼らはすぐに問題に遭遇した。風洞の制御システムが故障したのだ。その後、電気が切れ、最終的には時間不足のためにテストはキャンセルされてしまった。



数週間後に再びテストを行い、Cd 0.256を達成したのであった。充分に優れた数値であるが、エンジニアは結果に不満を持ち、再び設計をし直した。リニューアルされた車は、スポイラーとして機能するプラスチック製のバンパーが付けられていた。



ピニンファリーナはこの他にもユニークなコンセプトカーを生み出しているが、この一台は特に未来的で、ユニークな存在である。現在の保管状態については不明だが、どこかのイベントで翼を広げている姿を見られる時があるかもしれない。

オクタン日本版編集部

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