究極のスーパーカー仕様と記録破りのパフォーマンス フェラーリSF90 スパイダーが登場

Ferrari




また、完全な新設計のオイルバス式 8速デュアルクラッチ・ギアボックスを搭載。ドライサンプの採用と、外径が7速型より20%小さい大幅にコンパクトなクラッチ・アッセンブリーによって、レイアウトの最適化が可能となり、搭載位置を15mm下げることに成功した。これによって駆動装置の重心も15mm下がっている。8速ギアが加わり、最大トルク900Nm(現行の 7速型から 20%以上の増加)を伝達するにもかかわらず、ギアボックスの総重量は従来型より10kg低下。また、クラッチは7速の従来型よりパフォーマンスが35%向上し、変速時には最大 1200Nmの動トルクを伝達する。新世代の油圧式作動装置によって、クラッチ・フィル時間は 30%速くなり、トータルの変速時間は 200ミリ秒にまで短縮され、従来の7速 DTC から30%改善した。

排気システムの再設計では、サウンドの質にも細心の注意が惜しみなく注がれた。エンジンサウンドは、フェラーリをドライビングする高揚感において中核となる要素。サウンドをよりダイレクトにコックピットに伝達する「ホットチューブ・システム」の導入により、全周波数帯でいっそう豊かで朗々としたハーモニーが響きわたるので、従来のフェラーリV8と比べても車内のサウンドの質が高まり、回転数の上昇に伴う迫力が増している。



シャシーは、新パワーユニットとAWDの導入による負荷の増加に対処するため、完全な新設計となっている。キャビンとエンジンを隔てるバルクヘッドを総カーボンファイバー製とするなど、最先端のテクノロジーやイノベーションが数多く採用されている。また、SF90 スパイダーのシャシーは、従来のプラットフォームより 30%高いねじれ剛性を重量の増加なしで実現しており、車両の優れたダイナミクスに大きく貢献。

エアロダイナミクスの開発には、最初期のプラットフォーム設計の段階から3つの目標が設定された。RHTの展開時にSF90 ストラダーレのパフォーマンス・レベルを維持すること、RHT の格納時に空力的乱流とノイズを最小限に抑えること、そしてエンジンベイのフローを最適化することだった。



特別なエアロダイナミクスの研究は、鍛造ホイールの形状にもおよんだ。ホイールの外縁部には、スポークとスポークの間に等間隔に放射状のエレメントが加えられ、ウィング形状として働くよう設計されている。このジオメトリーによって、ホイールがローターブレードのように働き、ホイールアーチからの空気の排出を極めて効率的に促進するという。さらに特有なのが、コックピット内に設けられた2つの空力エレメントで、ルーフを開けた際に気流から守る優れた機能を発揮する。ドライバーとパッセンジャーのシートの間にある中央のトリムが頭と肩から気流を引き離し、センタートンネル上部の2層構造のトリム内部に送る。2つのソリューションは、いずれも実質的にドラッグに影響をおよぼさず、フェラーリの他のミッド・リアエンジン・スパイダーと同じレベルの快適性を保証している。

オクタン日本版編集部

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