「サインはV」~メルセデス・ベンツ Eクラスシリーズの進化を見る~

メルセデスベンツの主力モデルEクラス。1946年の発売以来、メルセデスベンツのメインストリームを爆走し、世界で累計1400万台以上を販売しています。セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレとボディスタイルも充実し、選択肢が多いのも魅力のひとつ。

しかも、どんなボディスタイルであろうと、パワートレーンだろうと、「ザ・メルセデススタイル」なのは安心感を与えます。加えて最近のメルセデスベンツは、これまでのメルセデスには無かった「色気」が加わっていると感じるのは私だけでしょうか?現行型の5代目Eクラスが発売されたのは2016年。欧州車というとモデルサイクルが長いのが特徴ですが、その代わり毎年「イヤーモデル」というスタイルでどんどんアップデートされていましたが、技術の進化が目覚ましい昨今ではそれだけでは市場の競争に打ち勝つことが出来ないため、アップデートレベルでは収まらず、大きなマイナーチェンジを行うことも。まさにEクラスがそう。



まずはエクステリア。スポーティなAMGラインが標準のスタイルとなり、ライトはフロントもリアも進化したLEDとなったうえ、デザインもシャープに。そして全体的にスポーティなイメージに仕立てられています。そして大きく変わったのがインフォティメント系とハンドル。ハンドルは太くなりましたが、それは車線からはみ出し防止用のシステム「アクティブステアリングアシスト」が作動しているときに、ドライバーがハンドルを保持しているかどうかを静電タイプのセンサーで検知するため。しかも中央のスポーク部分が2段になり、親指でタッチとスライドで操作するところも新しい。





まずはインフォテイメント系は、画面が液晶なのはもちろん、12.3インチとビッグになったうえ、「Hi!メルセデス」と話しかける対話型インフォテイメント「MBUX(メルセデスベンツ・ユーザーエクスペリエンス)が大きく進化。乗用車では日本市場でははじめてのAR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションを採用。「MBUX」では、話しかければ話しかけるほど、人工知能がどんどん学習していきますが、走行に直接かかわる機能以外の、目的地入力や電話の通話、音楽の選択や気象情報などなどに対応します。加えて直接画面にタッチしても操作できる2段構え。



そして今回、Eクラスで初めて搭載された機能として、ジェスチャーコントロール機能。天井には以前はサングラス入れだったスペースに2つのカメラが設置され、その下部分でドライバーが「Vサイン」をすれば、自分の「お気に入り」をメニュー表示することが出来ます。



この時、設定可能なのはラジオの選局、電話やアンビエントライトなど。これは使いたい機能がふたつ重なってしまって片方しか見られないという場面に、片側だけ簡単に呼び出す機能です。運転席、助手席で1つずつ設定が可能だそう。ただし、カブリオレではこの機能が使えないとのこと。というのもカメラが元サングラス収納の場所にあるので、屋根が開くタイプの車には搭載されないのだとか。

パワートレーンも変わりました!
今回の試乗車は4台。E200のステーションワゴン「E200 Stationwagon Sports」とセダンの「E200 Sports」は、1.5リッター直列4気筒ターボエンジンにスターターとオイルネーターの働きをするモーター「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」と48Vの電装システムが搭載されています。これによって燃費にも貢献しているうえ、BSGでは低回転域をアシストするため力強い加速とエネルギー回生を行います。



また、高速走行中の「ECOモード」時、アクセルをオフにしたり減速をするとエンジンが停止して「コースティング機能」となるため、燃料の消費を抑えることができます。しかしこちらの2台では今回の試乗では高速道路走行をしなかったため、こちらは体験できていませんが。サスペンションはセレクティブダンピングシステムを用いた「AGILITY CONTROLサスペンション」。



そしてE300のカブリオレ「E300 Cabriolet Sports」とクーペが「E300 Coupe Sports」は2リッターの直噴ターボエンジンを搭載。1.5リッターエンジン同様、BSGと48Vの電装システムを搭載し、最高出力は190kW(285PS)、最大トルク370Nm。大きく違うのはエンジンの排気量だけではなく、こちらは「AIR BODY CONTROLサスペンション」を採用し、エアサスペンションのしっとりした走りを堪能できます。

実は今回、割としっかりめに乗れたのは「E300 Coupe Sports」だけで、ほかはほぼチョイ乗り程度。「E300 クーペスポーツ」は、もはやSクラスでもいいのではないかと思うようなグレードアップした乗り心地に加えて、俊敏なスポーティさも兼ね備えています。そして4台のEクラスから感じたのは、すっかり若がってエイジレスに。私はそこに「中年の星!」を見た!(笑)

文:吉田由美 写真:佐藤亮太

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