最高の職人技が注ぎ込まれた作品│1875年の時計にオマージュを込めたモリッツ・グロスマン

モリッツ・グロスマンは1826年にドレスデンに生まれ、偉大なドイツ人時計職人たちにおいて先駆者とみなされた。若く才能に恵まれた時計職人であった彼は、友人のアドルフ・ランゲの説得により1854年に自身の工房をグラスヒュッテに設立。評価の高い時計企業を運営する一方で、グロスマンは政治的・社会的な活動に努め、1878年にはドイツ時計学校を設立した。1885年にモリッツ・グロスマンは突然亡くなり、彼の死とともに時計マニュファクチュールも解体されることに。

しかし、このモリッツ・グロスマンの伝統的な時計作りが2008年に復活した。時計師クリスティーネ・フッターが、かつてグラスヒュッテの時計ブランドであった「モリッツ・グロスマン」に出会い、その商標を取得し、構想を練り、素晴らしく繊細な腕時計とともに残された120年前のグロスマンの遺産を受け継いだのである。

そして、個人の時計愛好家からの支援によって2008年11月11日にグロスマン・ウーレン社がグラスヒュッテに設立された。今日のグロスマンの時計師は、歴史的な部分を単に模倣するのではなく、新たな伝統を作り上げている。モリッツ・グロスマンは、革新と卓越した技能を基に、伝統的であると同時に最新の仕上げ技術と高品質の素材を使い、時計作りにおける「新しい時代の原点」を創り出す。

そして今回は、モリッツ・グロスマン初の古典的な振り子式自動巻き上げ機構を搭載した「ハマティック」より、輝くような光沢が美しいBlack-orダイヤルモデルをご紹介。モリッツ・グロスマンが1875年に製作した懐中時計に見られるオリジナルのロゴデザインが、新しいダイヤルを飾るアイテムだ。




「ハマティック」の仕組み
機械式時計は何世紀もの間、定期的に手で巻き上げなげればならないものだった。その歴史の中で、人の動きにより時計を巻き上げる自動巻き機構は夢のような発明であったのだ。モリッツ・グロスマンのエンジニアたちは懐中時計の時代にも僅かながら存在した、重りのついたハンマー式(振り子式)の自動巻き機構 ハマティックの構想へと回帰し、ブランド独自の魅力的で確かなムーブメントを実現した。中央部が空いたフレームに沿って双方向に動くハンマーが、ほんのわずかな動きをも捉え、効率的な巻き上げを実現する。

19世紀のハンマー式巻き上げ機構にインスパイアされたもので、モリッツ・グロスマンの最高の職人技により洗練されたまったく新しいムーブメントである。精巧なムーブメントキャリバー106.0は魅力的なデザインを持ち、細部まで職人の手で仕上げられている。このキャリバーはグロスマン特有の古典的な支柱構造を持ち、プレートには6本のグラスヒュッテ様式リブ模様が施されている。



ハンマーヘッドとバネの相互作用によりハンマー本体が左右両方向へ振れ、その振動はサファイアローラーを通してぜんまいへと伝わる。フレームに十分な可動域を持ったことで安定した高いトルクを生み出すようになっている。この独自の構造には、わずかな人の動きをも即座に動力として捉え、なおかつムーブメントへは負担がかかり過ぎないよう、大きな動作の際にも巻き上げ機構の動きは緩やかに抑えるという二つの課題を叶える必要があった。過度な動きは精巧に設計されたハンマーフレームのエンドストップにより抑制される。また緩やかな動きもハンマーが無駄なく歯車を通して香箱へと伝えるため、たった5度の振り幅でも効率的な巻き上げを可能にするものだ。



独自のキャリバー106.0はサファイアクリスタルのケースバックを通して楽しむことが出来る。また完全に巻き上げられた状態から約72時間のパワーリザーブを実現。

手巻き機構は一般的なレバー式で別のブリッジに取り付けられている。そのシンプルで信頼性の高いレバー式巻き上げ機構は、自動巻き機構を理想的に補完している。ハマティック機構がアクティブな状態では、手巻きの巻き上げ機構はカンヌキによって角穴車から切り離され、手巻きモードになると減速ギアはアンクル爪フリーホイールによって角穴車から切り離される。リュウズを引き出すとテンワが止まり時刻を合わせることが出来る。同時に丸穴車と角穴車はカンヌキによって切り離され、リュウズを元の位置に押し戻すと再び巻き上げモードになり、テンワの停止が解除されカンヌキにより丸穴車と角穴車は噛み合う。


「black-or」と呼ばれる鏡面仕上げ
今回の主役のブラックダイヤルモデルには「black-or」と呼ばれる鏡面仕上げが施されており、輝くような光沢を放つ。大きくはっきりとしたホワイトのローマンインデックスがブラックダイヤルと見事なコントラストを織りなす。「M. GROSSMANN」のロゴとわずか0.1mmの手仕上げされた針は、1875年に製作されたモリッツ・グロスマンの古い懐中時計へのオマージュとなっている。



大きく精巧なデザインのローマンインデックスは、モリッツ・グロスマンの歴史あるポケットウォッチを偲ばせる仕上がりとなっている。また繊細な針も歴史的なモデルからインスパイアされたデザインだ。時針は梨型の柔らかな曲線を描いており、分針はより細く針のようなシャープなデザイン。どちらの針も最も細い部分は0.1mmという非常に繊細なつくりとなっている。先端の幅が僅か0.05mmしかない秒針も含め、針は全て手作業で仕上げられ、モリッツ・グロスマン特有のブラウンバイオレットカラーへと焼き戻されている。



モリッツ・グロスマンの職人技が注ぎ込まれた一本を腕に身に着けて、その長い深い歴史を感じていただきたい。



バリエーション
Ref. MG-002708
ケース 18Kホワイトゴールド
ダイヤル 「black-or」ダイヤル、ローマンインデックス
針 手仕上げ、ポリッシュ仕上げのステンレススチール
価格 ¥5,700,000+税
限定数 世界限定25本

Ref. MG-002302
ケース 18Kローズゴールド
ダイヤル オパリン、ローマンインデックス
針 手仕上げ、ブラウンバイオレットに焼き戻したスチール
価格 ¥5,500,000+税

Ref. MG-002303
ケース 18Kホワイトゴールド
ダイヤル オパリン、ローマンインデックス
針 手仕上げ、ブラウンバイオレットに焼き戻したスチール
価格 ¥5,500,000+税



https://ja.grossmann-uhren.com/

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